さて、後編では試合についてと、その他を少し触れたいと思います。
前編はこちらから→【taku】明治安田生命J３リーグ第２５節　SC相模原対FC町田ゼルビア


試合についてですが、前編冒頭で「データ上、相模原とゼルビアはほぼ同じ得点数ですが、失点数ではゼルビアは相模原の半分ほどしかありません。相模原としては堅守の町田をどうやって崩すかがカギになります。」と言いましたが、まさにその通りになりました。

試合開始直後、配置を確認すると、相模原は４－４－２。
ゼルビアと同じフォーメーションでした。
自然とマッチアップは2枚のCBに対して2人のFWという構図になりますが、SBに対してはどうだったのでしょうか。

ゼルビアは相模原DFに対して同数でマッチアップし、さらにボランチの選手がCBとSBの間を裏抜けしようと、ボランチの片方がスプリント、そしてボランチから裏へ配球しようとしていました。
非常に危険でしたが、何とか防いでましたね。
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これを見たとき感じたのですが、SC相模原と対戦するチームの多くはこの崩しを使った来るなと、、、
（いや、数的優位をつくるごくごく基本的な崩しのパターンなんですけどね）
試合ごとにDF（特にSB）の入れ替わりが多い相模原にとって、SBとCBの間を使った攻め方ほど嫌なものはありません。
特に重松の動きにモービーや大森が釣られ、怖いシーンを作りかけられました。
（重松がDFから離れて、少し引いて受けようとする動きは良かった）
ましてや、やっと防いでもDFに対して出足の早いプレスが続々と襲ってくるので、
とりあえず前線に向かって蹴る。

という下位カテゴリにありがちなプレス回避の方法を持たないチームはポゼッションを放棄するしかない悪循環に陥ります。

さらに今節はターゲットが井上平。


ん？


イノウエ、、、タイラ？？？



無理じゃん！！



相手はゴツゴツした深津や増田（189ｃｍもある）といった、エアバトルに自信のある選手ばかり。
井上平はスタンディングからジャンプしますが、深津は勢いをつけてジャンプし、井上を弾き飛ばしながらボールも跳ね返していました。
そうなると、地上戦でコンビネーションから崩していきたいところですが、樋口はトラップがままならず、永芳は長い時間ピッチで行方不明。

相変わらず守備では目立つものの、攻撃はまったくなトロと、デカい上背を生かせず競り負ける須藤がセカンドボールを得ることもあまりなく、中央でゲームを組み立てることもままならぬまま前半が終わってしまいました。


さすが安・定・感のある寺田のパフォーマンスには納得しましたが、前半終了間際には敵陣への侵入もままならぬ状態を打開するセットプレーを得ますが、モービーの技術的にも、戦術的にもドイヒーなキックで台無しにするなど、相手に主導権を握られっぱなしで辛くも0点に抑えていた印象でした。





後半、失点。
セットプレーを生かせない、逆にセットプレーを苦手としている、そんなチームとして攻守に渡ってセットプレーが苦手な相模原。
レノファ戦でも２つのゴールを奪われていて、反省がちっとも生きていませんでした。
ゼルビアは極めてソリッドなチームであって、それはレノファと同じこと、彼らは流れの中、セットプレーのいずれでも練り込まれた攻撃のパターンを持っています。
前半に相模原が自陣左サイドで何回か与えたFKはキッカーが代われど、すべて大外のファーサイドへのインスイングキックでした。
練習した形を確実に試合で表現してチャンスを得る、SC相模原とゼルビアの差はチームの成熟度という面にも現れていると思います。


本日のターゲットマン井上平が壊れてしまいそうになり、また樋口も迷走mindを失いつつあったので、辛島くんはFWを2枚替えしてきました。
交代で入ってきたのは長身FWの服部、新加入のタレスの2人組です。
当初、”愚策”と思えたこの交代戦術は、大きな収穫を得ることになりました。

フィードを服部が競り合い、落としたボールをタレスが裏抜け、近くで広い展開していくサッカーが可能となり、また服部がスローインやペナルティエリア手前での預けどころとして機能した結果決定的チャンスを何度かつくることが出来ました。
ただ、そこで結果を得ることが出来なかったのは、収穫ではあっても成功ではなかったと思います。




さらに飯田涼を加え、必殺のスルーパスから好機を呼び込むと、終了間際には完全に足の止まったゼルビアDFに対して強気の攻めが続きますが、１つ１つの精度に問題があり得点することが出来ませんでした。

試合は０－１で終了しました。
これで勝ち点差は8となり、上位浮上がさらに厳しくなりました。



まだ永芳がよくわからない件。


おもな出場選手雑感短評。
井上平：お疲れ様でした。　もっと地上戦でやりたい中、空中戦で奮闘。
曽我部：もっと仕掛けろ。　もっと攻撃的にやれ。　フォローが少ないのは仕方がない。
レタス：豚しゃぶを載せるのにレタスは必要。　次はドレッシングをドバァ！！！
トロ：出足の早い守備はOKだが、攻撃での貢献は皆無。　
須藤：樋口を走らせるパスをもっと出したい。　次節有給。　　　　
寺田：安・定・感。　　試合終盤の危険なシーンでは素早く相手に体を当てて危機回避。
モビ男：ゲームメイクが好きなのはわかる。　それでも、センスの良し悪しは別の話。
大森：前節の前任者より非常に良い。　
辛島くん：服部とタレスのコンビがうまくいった。　次節、先発が服部とタレスだったら鼻水噴く。




さて、、
前編で紹介しましたが、マッチデープログラムにはこんなものが挟んでありました。
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SC相模原のパーソナルスポンサー制度、”フォルツァ相模原”です。
最近あまり更新されないので詳細は不明ですが、あまり伸びていないようです。
（フォルツァ相模原について詳しくは以前の記事がありますのでぜひ。　　【taku】SC相模原パーソナルスポンサー「フォルツァ相模原」について）


この画像は公式HPで見れるパーソナルスポンサーの方々です。
私も一番右上当たりにいますが、普段平均3,000人からの集客があってこれは少ないと思いませんか。
J２に上がるための各種様々なことに使われるとのことですから、熱心なサポーターさんほど飛びつくかの如く賛同するものだと思っていましたので、肩すかしを食らった印象です。
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こういうところがあまり話題に上らず、ギオンスタジアムの照明やキックオフの時間に議論が偏重するのはおかしい。



さて、少し話題を変えましょう。

座席の話です。

今節は5500人近い集客があり、熱い中日差しを避けていつも以上にメインスタンド側の席を求めた人が多いと思います。
ただ、下の写真を見てみればわかりますが、S席にはまだまだ余裕がありました。

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それでも立ち見を選択して、最後列の後ろに立つ人が何人、何組も見かけました。
よくよく見るまでもなく、ギオンスタジアムメインスタンドのグレードの高い席種での無駄な席取りが行われているのです。
せっかく自由度が高いゾーン指定なのですから、荷物を置くのをやめ、足元にあるスペースを活用して、1人で2席も3席も使わないよう心掛けたいものです。


サポーターさんとのやり取りで、『いつもに慣れていて感覚的に出来ないのではないか？』という話もありましたが、当たり前のことを当たり前にやればいいだけじゃないかと思うので、普段から来ている人たちが誰に言われるもなくやればいい話だと思います。
個人的には何でもかんでもクラブに丸投げしていいわけじゃないとも思いますし、、、、


あと、必要以上にダービーであることに対して一部の人が過剰な意識を持ちすぎとも感じました。
（これは相模原・ゼルビア双方に）



そして、この夏最大の議論を生んでいるギオンスタジアムの照明・キックオフ時間についてですが、個人的には相模原は今できることをやっていくべきであって、様々な課題を全てスタジアムの問題にしてしまうのは、あまりに短絡的なスケープゴートだと思います。
もちろん、１３時キックオフという見る側にとっても罰ゲームに等しい時間帯には何らかの対抗策が必要なので、今後の動きに注目したいところです。



最後にゼルビアの松下くんの話を少し。
これは昨日、双方のサポーターで物議を醸しだした件です。
昨日の試合、ゼルビアのMF松下は前半３２分に交代となりました。
その姿はフラフラとして、ようやく歩いているように見えましたが、それに対して心無い野次が飛び、双方のサポーターから野次への批判がTwitterで展開されていました。



サッカー観戦をしていれば汚い野次とはどこかで必ず出会います。
そして、それはこれから相模原がクラブとして大きくなるにつれ、観客が増えるにつれ間違いなく付いてくるものです。
全ての人が聖人君子のごとく、サッカーを優しい気持ちで見れれば良いのでしょうが、中にはそうではない人もいて彼らとどうやって共存していくかは見る側の意識、行動規範として議論の価値があると思います。

とはいっても、真夏の暑い時間にサッカーをやっているのだから、審判や味方から退場を促されてフラフラと歩く選手を見てどこをどう勘違いすれば、「トラブル」を「遅延行為」と思うのか、不思議で仕方がありません。
「担架に乗るべきだった」という意見がありましたが、確かにその通りです。
だからといって、担架に乗らなかった選手への罵倒を正当化する理由にはなりません。

本人のTwitterによれば、交代理由は熱中症ではなく脳震盪だったようです。



脳震盪といえば、記憶に新しい２０１３年、大宮対広島の冨山と増田の接触を思い出します。
当時スカパーで観戦していましたが、マッチコミッショナーの遅すぎる対応や中々到着しない救急車、両サポーターからのざわつくスタジアム、そして増田へのエール、、、今でも思い出すだけで目頭が熱くなります。
本当に大きなケガではなくて良かったと。


ピッチ内で起きることは様々ありますが、言葉は刃物です。
一度吐いてしまった言の葉は飲み込むことができません。
サッカーは相手がいて、仲間がいて成り立つスポーツです。
対戦相手に対してもリスペクトを欠かさず今後も観戦したいものですね。




それでは、また次回の記事でお会いしましょう。



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