こんにちは。新年あけましておめでとうございます。
各クラブ、新シーズンに向けていよいよ始動。開幕まで待ちきれない日々が続きそうです。

[頼もしい守護神の完全移籍]
さて、私が応援しているアスルクラロ沼津は先日ジュビロ磐田より牲川歩見選手を完全移籍で獲得しました。

昨年、堅守沼津の守護神として大活躍!
世代別代表に名を連ねてきた牲川選手は「J3のクルトワ」等と言われるほど、飛躍の年に2018年はなりました。

J1・ジュビロ磐田ではGKの序列では4番手。以前のレンタル先でも苦い経験をしてきたと思いますが、昨年の活躍故に磐田からのレンタル延長は無いのかな。。。と思っていたので完全移籍は予想外の衝撃でしたが、今年のJ3のGK事情やこのチームで何かキッカケを掴んだ事が移籍に大きく影響したのかもしれません。

◆2018年のJ3リーグのGK事情◆
正確には2018シーズン終了後の事情と言った方が正確かもしれません。

群馬 松原修平→J1 湘南へ完全移籍
琉球 朴 一圭→J1 横浜FMへ完全移籍
長野 田中謙吾→J1 松本へ完全移籍
沼津 大西勝俉→J2 鹿児島へ完全移籍

(同カテゴリ内で移籍したYSCCの浅沼やU-23の廣末や永石は別として)
なんとJ1へ3選手が移籍した事は2018シーズンのJ3で大きなニュースだと感じました。
また、2017年の躍進を支え2018年も牲川選手にかわりゴールを守った沼津の大西選手もJ2の舞台へ

「試合に出続ける事、結果を残す事でステップアップへ繋がる」

GKというポジションは特殊です。
唯一手を使う事が許され、そのレギュラーの座は各チーム、ピッチの上に1つしか用意されていません。
だからこそ重要で、だからこそ今年上位カテゴリのクラブは1年間実戦で結果を残しているJ3のGKにも白羽の矢を立てたのかもしれません。
J2ならわかるのですが、J3にこういった流れが今年生まれたのは驚きでした。しかし移籍した彼らが上のカテゴリで活躍する事は今後にも大きな影響を与えるので、活躍を期待しています!

◆1人で守っているわけでは無いという事◆
先日の代表戦でもそうでしたが、しばし失点するとGKのせいにされてしまう事があります。
失点にはいくつかパターンがあると思うのですが
・明らかなミスでの失点
・ブラインドや予期せぬ失点
・相手に完全に崩されての失点…

昨年、GKだけでなくチーム全員で守ってるというのがよくわかる試合がJ3リーグでありました。

2018年11月18日(日) アスルクラロ沼津vsSC相模原

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奇しくも引退を決めていた日本サッカー界GKのレジェンド、川口能活選手(富士市出身)が静岡県東部地域でラストゲームとなる試合

特にアスルクラロ沼津のCKやロングスローでの攻撃にSC相模原はこんな守り方をしていました。

CKの時
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① 相模原はCKから近いポストの辺りに193cmの長身FWのジョン・ガブリエル選手を置きます。
カーリングでいう所の的を隠すストーンの様な役割ですね。彼の頭上を越えない限りCKはPA内の沼津の選手には届きません。
② ジョン選手を越えてきたボールは近いエリアでは187cmのGK田中選手が処理します。
③ ジョン選手、田中選手も届かない高いボール、これは当然滞空時間も長くなりますが、これは194cmのCB梅井選手を中心に跳ね返します。

3段構えの守備ですね。高さをほぼ封殺するGKとフィールドプレーヤーを合わせた理にかなった守備だと思います。

実際前回対戦の9/18のアウェイでの尾崎選手の得点(この時はジョン選手が累積で出場停止)も低いCKから虚を突いたプレーでした



相模原はセンターラインを長身選手でキッチリ固めてるチームならではな気がします。
今季、YSCCからシュートストップに優れたGK浅沼選手を取ったのも高さではなく、そういった打開された時のシュートストップを見越しての補強なのかもしれません。勿論、田中選手も成長著しいGKなのでレギュラー争いも注目です!


ロングスローの時
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2つ目はロングスローの時です。
…と言ってもやってる事は同じで熱川選手のロングスローをジョン選手が跳ね返す。そこを越えられればチャンスになりますが中々難しかった試合でした。

しかし、こちらはCK時と狙いが全く異なっていたと思います。
ジョン選手が跳ね返していたボールは図の○のエリアへ。そのセカンドボールを沼津の選手は狙っていたし、相模原の選手も拾わせない様にしていました。
ここで一番の狙いは「二次攻撃」であり、越えないロングスローでも投げ続けた事は、攻めている沼津の守備がもうそこからスタートしていた事に繋がると思います。

簡単な話。
ジョン選手が低い位置でボールに触る = ゴールハンターをゴールから遠い位置でプレーさせる
それだけで、カウンターも枚数が減るし失点の確率はグッと下がります。
「沼津は攻めながら守備へのアプローチも出来ていた」GKとは話が離れてしまいますが、攻守が激しく入れ替わるフットボールならではと言った感じです。

攻撃面でもホーム、アウェイの2試合共に畑選手がメンバー外だったり、左サイドが染矢選手と石田選手という縦にスピードがありドリブルで仕掛けられる攻撃的な2人を交代で使ったのもそういう競り合いの部分以外に活路を見出していた故なのかな?と感じました。


また、余談ではありますが今年のJ3開幕戦のFC東京U-23で試合前のGK練習。大西選手と牲川選手へサイドから放り込んだボールが全然違う事に気づいてました。
大西選手は胸の頭上でキャッチ出来るハイボール、牲川選手は触れるか触れないかの高くて長いボール。
最初はミスキック?って思ったけど、殆んどがそんなボール。
つまり牲川選手の時は牲川選手が触るから相手は「ハイボールは勝負出来ない」
彼の身体的な特徴を活かした守備だったんだと思います。

そう、GKは一人で守っていない。ピッチでは色々な駆け引きや戦いが繰り広げれられているんだなと。


◆ピッチを去るレジェンドGK◆
田中選手という後輩をベンチで見守った相模原のGK川口選手。
この日は前日に、昨年アスルクラロ沼津ともコラボしたAqoursの東京ドーム公演から沼津入りしたのですが愛鷹広域公園の駐車場はほぼ埋め尽くされ、1時間前位に着いた自分は公園内の路肩を臨時駐車場にしたスペースへなんとか駐車。

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Aqoursの公演にはアスルクラロ沼津からのフラワースタンドも

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ギリギリに着き過ぎて書いてる内容を覚えてない


先日、川口選手と代表で長年GKを競った楢崎選手も引退を表明。
「楢崎と川口」1つの時代が終わるんだな。と寂しく感じました。
私はどちらかというと、正直楢崎選手のプレースタイルの方が好きでした。でもJリーグを観戦した自分の記憶にはいつも川口選手がピッチにいました。

子供の頃、初めてJリーグを見た清水エスパルスvs横浜マリノス


このブログ、フットボールマンションをはじめJリーグサポーターの友人と出会って、10年ぶり近くにJを観戦した清水エスパルスvsジュビロ磐田。

そして、この日アスルクラロ沼津vsSC相模原。

いつも対戦相手のゴールを守っていたけど、この日セレモニーの時に沼津のゴール裏にも挨拶に来てくれて本当に本当に嬉しかった。


先日のJリーグアウォーズでベスト11に選ばれた川崎フロンターレのチョン・ソンリョン選手も川口選手に憧れてたと答えていました。
中村憲剛、川口能活&チョン・ソンリョンの“日韓GK”と食事「濃密なものでした」

我々ファンだけでなく、J3のみならず選手の中には川口選手や楢崎選手に憧れた。そういったGK選手もきっといるはず。



GKというポジションは特殊。
試合の半分はサポーターの大声援を一番近くで背中に受け、残りの半分は対戦相手サポーターの目の前で歓喜の瞬間を奪っていく。
だから好きなんだよなぁ・・・カッコいいわ


(※話がブレすぎてオチが見当たらないので今日はこの辺で~)