現在の仕事柄、盆・ 正月には中々休みが取れないのですが、幸運にも唯一の休みが12日に取れ、田坂エスパルスの初陣を現地観覧してきました。

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この記事がUPされる数時間後には残留争いをかけた大事な新潟戦が始まります。負けられない戦い。勝利を祈っています。そんな訳で、試合内容をかいつまんで書きます。

運営面や、道中のお話をいつも通り書きたいのですが、今回は試合にフォーカスし書きたいと思い割愛させていただきます。(因みに夏休みともあり、道中は凄く混んでいました。)

●新清水の布陣
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大榎時代の主なメンバーからは水谷、福村、石毛、枝村などがこの日外れました。
新戦力のテセ、角田を加え、左サイドに六平を起用するというスタメン。
表を綺麗な4-4-2にしなかったのは、大前は中にポジションをとることも多く、デュークはサイドに張り気味。角田は白崎よりフィルターの役割が多く、六平は犬飼より積極的に攻撃に参加した為、こうしました。

●受け身になりすぎた立ち上がり
キックオフ直後から、清水は守備に重きを置きます。対する湘南は、一気にプレスをかけ攻めたてます。
数週間の準備期間がありましたが、「まず失点をしない」ここがチームとして念頭にあったことは間違いないと思っています。
ただ、それが結果として立ち上がりからズルズルとDFラインと中盤を自陣へと下げてしまいます。
前線ではウタカ、テセの2枚が孤立。ロングボールも湘南DFのバイーアや遠藤、島村に当たられセカンドボールは拾えず…正に悪循環。
稀に大前が前を向いてボールを拾えても、下がってしまったチームのフォローは遅くパスの出し所はありませんでした。

 ●なるべくしてなった8分でのオウンゴール
そんな展開が続いてる中で、最前線からウタカがチームに檄を飛ばす。
「何をやっているんだ!ラインを上げろ!前に出ろ!」 
テレビ中継で映っていたかどうかは分かりませんが、大きな身振り手振りでアピールしていました。ウタカはゴールやドリブルといった技術などのスキルも然ることながら、こういった面でプロだな。と感じるシーンが多いです。
しかし、 弱気な守備はオウンゴールという結果で自らの首を絞めてしまいました。

特に前半悪い印象を受けた選手は2人います。

1人は右SBに入った犬飼選手。
明らかに自信を失った守備をしていました。ミスをしたくない。失点したくない。という守備でアグレッシブさに欠けていました。慎重なのでも冷静なのでもなく臆病な守備だったと思います。(結果として彼は試合を通して良くなかったです。)

2人目は角田選手と中盤でコンビを組んだ白崎選手。 
前半45分を通じて、ピッチのどこにいるか分からない位に空気でした。持ち味の攻撃センスは欠片も発揮出来ず。
相方の角田選手が守備的である以上、前線の4選手との懸け橋になるシーンも無ければならないのですが、大前選手の動きのサポートをはじめ全く攻撃には絡めませんでした。

 ●ヤコヴィッチの交代、リンクマン竹内の投入
そんなうまく行かない流れの中で34分、ヤコヴィッチが負傷交代。角田をセンターバックに下げ、竹内を中盤に投入。
これにより前後に分断されていたチームが繋がるようになり始めます。
ここまで角田選手は中盤でかなり効いていました。
私個人の意見としても、彼のような中央でしっかりクラッシャーの役割を果たす選手の獲得を熱望していただけに、また大榎時代のような中盤剥がされる展開に…とこの時かなり心配していました。
実際、中央エリアの守備は少し手薄になった印象はありましたが、この時間帯辺りから白崎選手がかなり強く相手選手に当たりに行くようになり、またCBにポジションを移した角田選手も相変わらず効いていた為、悪くなかったと思います。

ただ、アフターチャージだったり、ボールに関係ないエリアでのイザコザが両チームに絶えず、見苦しい時間帯でもありました。



2つ目と3つ目のツイートはこの時間帯の話。観客席もかなり苛立っていた。それほど酷い時間帯だった。
 
  ●後半、大前選手のゴールと失った決勝点
前半の終盤から清水は大きなチャンスをいくつも作ります。
しかし、湘南GK秋元選手がこの日は大きな仕事をやってのけます。ビッグプレーで尽くセーブ。これは正直かなり痛かった。
後半、何度も攻撃を繰り返す清水についにゴールが生まれます。左サイド、デュークのクロスに大前が飛び込みゴール!試合を振り出しに戻します。

竹内選手投入以降、まさに「戦えている」チームだったと思います。残念ですが、私は大榎前監督のチームを見ていて「戦っているチームだ」という印象を受けたことはありませんでした。その点は、この後失点してしまいますがホッとした気持でした。

32分、セットプレーからバーに当たった跳ね返りを島村選手に決められてしまいます。
良い所を抜かれてしまった。というのが率直な感想です。
バーに当たり、跳ね返った時に空白の時間が出来てしまったかな?とも思ったのですが、最後DFも体投げ出してるんですよね。それにニアに綺麗に決められている。これを責めてよいのかは私にはわかりません。

 ●ウタカを欠いた後の戦術
話が少し前後してしまいますが、失点の少し前に清水は切り札であるスピードスター・村田選手を投入します。
デューク選手がベンチに向かって手で×印を出していた為、それもあっての投入でしょう。
しかし、昨シーズンから彼はもうかなり研究されています。「前にスペースを与えない」 これをキッチリやられてしまいました。

更に、失点後にもう一人のドリブラー澤田選手を投入します。
デューク選手のような大きなストライドで一気にかわす選手ではありませんが、最後まで六平選手と2人左サイドからチャレンジしました。
反面、ウタカ選手を失ったことで、テセ選手のプレー幅は完全に減り中央エリアで相手に脅威を与えるシーンが作れなくなってしまった事は課題だと感じました。
最後は湘南が澤田選手、六平選手がアグレッシブに攻めたてるサイドに坪井選手をぶつけて試合終了。
現状持っている総合的な力の差を見せられたといった感じでした。

しかし、左サイドバックだっていうのに六平君は良いね!チャンスがあれば勝負するし、彼らしさがいかんなく発揮してた。もちろん守備に不安もあったけど、それを天秤にかけても十分すぎるレベルだったと思います。

☆勝てた試合だったのか?
この試合は勝てた試合だったのか?
結構「勝てる試合を落とした」と考えてる方も多いですが、私は勝てなかったと思ってます。湘南は強かった。チャンスは確かにあったが、チームとしての完成度を含め、相手が強かった。
反面、初陣としての収穫もかなり大きかった。という印象でした。

出来ればシーズン開始当時にこのチームの状態で見たかった。というのが本音です。
 しかし、残された試合数は限られています。期限ギリギリでの交代劇、J1に残留する為にも、この後の新潟戦。最初の大一番に注目したいと思います。