今日はギオンスタジアムで2015プレナスなでしこリーグ2部 ノジマステラ対日体大を観戦してきました。
明日もギオンスタジアムにSC相模原対カターレ富山の試合を見に行きます。


さて、久しぶりに見るノジマステラの試合になりました。
前回が7月のアンジュヴィオレ広島戦でしたので、2か月ぶりに見るノジマステラです。
(記事はこちら→【taku】プレナスなでしこリーグ2部 ノジマステラ対アンジュヴィオレ広島) 

日体大の選手はまったく知らないのですが、キーとなる選手がいないとの情報を某掲示板で事前学習。
順位はノジマステラのすぐ下で、この試合に勝つか負けるかは両チームにとって大きな意味を持ちます。
特にノジマステラは、同日11時スタートの試合で1位のAC長野パルセイロレディースが負けたので、ぜひとも勝って勝ち点を詰めたいところです。


試合について
試合開始から、ピッチには両チームのビルドアップの違いが如実に現れていました。
ノジマステラはショートパスを主体とした攻めを、日体大はロングボールを主体に攻撃を組み立てでした。
また、ノジマステラは以前観戦したときに運動量豊富なRWGだった尾山が中盤センターでプレー、スピードのあるアタッカー長澤がCBとしてプレー、平野がLCBではなくRCBとしてプレーしていました。
さらにトップ下だった川島はるなは右サイドに入り、CFは権野である時間帯もありましたが、LWGの南野が務める時間も多く、スタメンの顔ぶれにはあまり変化はありませんが、内容はだいぶ修正が加わっているようです。


・尾山のセンター起用、吉見への好影響について
尾山の中盤センター起用は、前への推進力のある吉見に自由とタスクの軽減を生み出しました。
以前の試合ではアンカーポジションを務めていることが多く、テクニカルでありながら非常にタフなBOXtoBOXが出来る選手だなと思っていました。
尾山のポジション変更で、時に2枚のボランチとして、また攻撃時には1つ前のポジションでプレーできることで、フィニッシュに絡んでくるシーンが増えたと思います。
また、出足の良い守備を他のアタッカーのプレスに連動して高い位置で行えるようになり、前線でのボール奪取も増えたように見えました。
後半、左サイドから上がったクロスに対してはファーサイドに走り込み見事蹴り込み得点したシーンは彼女の良さが凝縮されていました。

尾山はロングボール主体の日体大の攻めに対して、何度もヘディングで跳ね返すシーンがありました。
また、高い位置でボールを受けてドリブル突破を仕掛けるなど、右サイドで役割を固定されていた時に比べて存在感が増したように思います。
ボールを左右に逃がすパスも正確で、日体大のプレスを受けてもSBや他のMFと連携してスムーズなボール回しを実現していました。


・CB長澤はどうだった?
長澤のCB起用は裏へのロングボールに対して弱さを見せるノジマステラが、勇気をもってラインを維持する担保になっていたと思います。
高さの面では相方の平野も充分とは言えませんが、とても良い出来だったのではないでしょうか。
もちろん、彼女の本来持っている突破力を考えれば、より攻撃的なポジションで起用したいところです、、


・右サイド川島はるな
今日の試合では右サイドで起用された彼女は、以前から後半になるとポジションをWGやCFに上げてプレーしていました。
川島は小柄な選手ですが、ボールが収まる選手で預けどころとしても機能していました。
縦への突破はやや物足りなかった印象ですが。尾山とは違った良さを見せてくれました。


・CFは権野か、南野か
まずは、どこにボールの預けどころを作るかという話。
両サイドの南野、川島でポイントを作ってSBを絡めて上がっていくなら権野は相手CBを釘付けに出来ればそれでいいし、サイドからの折り返しを決めればいいので、権野がCFでも問題はありません。
決めるかどうかは別問題ですが、、、

CFとしてどちらが適任かといえば、また話は違ってきます。
ボールを引き出す動きや、オフザボールの献身的な働きを見ると、自分の基準の中では南野の方が適任です。

権野の決定的な課題は裏への抜け出しを含めたボールを引き出す動きが不足していることだと思います。
彼女はボールを受けたときに自ら前を向いてシュートに持ち込む姿勢も物足りない印象です。
以前の試合で、監督から”自ら行け”と指示を受けていましたし、大卒ではありますが成長過程の選手なので長い目で見てあげてほしいですね。

あと、90分一定のプレーの量を発揮できるようトレーニングに取り組んでほしいですね。
交代する10分ほど前からは、ほとんど動きが止まっていました。

がんばってほしいですね。


・やっぱり田中陽子は田中陽子だった
以前の試合に比べて、守備でのタスクが減り自由にやれている印象でした。
縦への推進力がある吉見が攻撃に参加できるようになった好影響を彼女も受けているようです。

柔軟なボールタッチ、パスの正確さはこれまでと変わらず魅力的で、ゴール近くでの期待感はチーム1でした。
FKでは、サインプレーからチャンスを作り出すなど自分の存在を逆手にとったプレーも仕掛けていました。
また、相手DFが中途半端なクリアをした後にDFラインの裏をランで狙うお得意の形も見せるなど、得点こそありませんでしたが、好調を維持しているようです。

今日の試合ではダブルタッチで仕掛けたり、持ち替えての逆サイドへの展開が良かったと思います。


大宮玲央奈の移籍について
先日、突然昇格を争う1位AC長野パルセイロに移籍してしまいました。
当ブログでも彼女の情報を求めたであろうファンの方の検索履歴?が残っていました。
(移籍情報は何もなくてスイマセン)
以前見た試合では、後半から登場して長短のパスでゲームコントロール、もしくは吉見を1列あげるために中盤の底でプレーしていました。

試合の途中で中盤の構成を変えたいときに誰を投入するようになるのでしょうか。
おそらく、当面は尾山と吉見の位置関係を修正することで全体のバランスを変えていくのではないかと思いますが、南野、川島、権野をフレッシュな選手と変えて前線からのプレスを失わないようにすれば、それでも良さそうです。


・気をつけたいこと
一番怖いのは疲れてくる後半、相手に自由なビルドアップを許すことです。
それがスクランブルのロングボールを蹴ってくる展開であったり、ショートパスを多用した組み立てであっても、前線からプレスをハメることで、攻撃を限定させて相手にボールを放棄させる、破れかぶれのロングボールを蹴らせることが出来ればリスクを減らせます。
ノジマステラのDF,GKはハイボール処理に決して強いわけではないので、前の3枚を交代させてプレスの強度を保つことは、勝利の絶対条件ではないでしょうか。


結果は2-1でした。
最終盤に失点してしまったのは残念ですが、連動した攻めを展開して得点することが出来ました。
このチームは攻めに最大の魅力があります。
次回の試合は、自分たちがボールを保持する展開をより多くの時間で作り出したいですね。


今シーズン5試合目の観戦となりましたが、今日はお客さんの入りも多かったように見えました。
女子サッカーは男子と比べると力強さやスピード感で物足りなさを感じることもありますが、一方で球際の勝負が多く非常にタフな試合が多いように感じます。
特に今日の試合は、また見たい思わせる試合でした。
これで1試合多い状況ですが、パルセイロとの勝ち点差は3。
逆転の可能性がグンと高くなりました!!


では、また。