先日浦和レッズの槙野選手のツイートが大きな話題になりました。
当該ツイートは既に削除されておりますが、簡単に言えば判定に対する不満を動画付きでUPしサポに問う内容でした。

まず判定について個人的な見解から
該当の試合は事後確認になったものの動画を見た時の感想は、「ファールだなぁ」というもの。

ガイドラインでは「コーナーキック時に」「ゴールキーパーの動きを」不正な方法で妨げた場合はファールを取るとなっております。
接触の激しさに関わらずコーナーキックでGKのバランスを崩す行為があった場合はファールということです。ジャッジに不当な部分は見当たりません。

批判について
・副審は最初はオフサイドのつもりで上げて誤魔化す為にオフサイドにしたのではないか
これはありえません。現地動画より副審は上げるときにフラッグを左手に持ち替えております。
この場合はオフェンスのファールのジャッジ。オフサイドならそのまま右手でフラッグを上げるシーンです。主審の対応は直接フリーキックを示している為、2人とも初動でファールと認識していることになります。

・副審のフラッグを上げるタイミングが遅いのではないか
これについては副審はどちらの利益になるかを見極めた上で旗を上げるという基準があります。
例えば権田が倒れたとしてもDFの跳ね返しからカウンターになれば止めた場合には明確に不利益になるわけで。鳥栖に利益にならないと判断してから上げる必要があるわけです。
結果は見ての通り。鳥栖にとって利益にならない状況になった為、上げた。これもガイドライン通りの振る舞いですね。

・鳥栖の得点シーンもファールではないか
そもそも全く別の話なので触れる必要もないのですが、確認したところGKとの接触ではありませんでした。その為、上記とは完全に別の基準で話す必要が出るでしょう。
該当シーンについてファールと取るかどうかは審判の裁量です。
ファールにする審判もいるでしょう。
ただ、前半28分の高橋選手を掴み倒したシーンを目の前で流していることを考えるとフィールドプレーヤー同士のコンタクトについてはかなり流す方に基準が取られています。
上記のシーンをファールとする場合基準を揃えるのであれば、28分の掴み倒したシーンについてはPKになるだろうと。
基準はブレていないというのが見た側としての感想です。

今回の問題で浦和側の不満が大きいのは前節の今村主審の問題が大きいのだと思います。
今村主審はCKをほぼ止めており、それに対して今節は(フィールドプレイヤーについては)流す審判だった。基準の落差が激しく不信感が募っていた部分であったことが大きいと思います。
尤も、高橋選手が掴み倒された段階でPKを与えられてもやはり批判はされたでしょう。どっちに転んでも正当性を欠いているとは言えないシーンではありますが。


さて、本題はここからです。
私個人は槙野選手にそれほど批判的な感情はないのですが、今回のケースは話が別です。
SNSで審判の判定をサポーターに投げかける行為というのは選手として明らかに取るべきではない行為です。
試合中に熱くなることはあるでしょう。揉めるのもわかります。
終了直後に審判と話をする。これも問題とは思いません。

しかし彼の行為は審判団を無視して自らのサポーターに裁量を求めたわけです。
これはリスペクトを欠いている以上に、今後の試合運営に支障をきたしかねない行為です。

そもそもSNSでの彼のフォロワーの大半は彼の賛同者です。今回のケースで言えば浦和サポーターが多いわけで、不利な判定を受けたサポーターを煽り審判への批判に油を注いだわけです。

正直これについては罰則を定めるべきというのが個人的な意見です。
今回どうするかというのは別としても、試合の度に各試合で不服な判定を選手が動画で上げ始めたら収拾がつきません。サポーターがやるのとは次元の違う話です。

余談ですが、Jリーグは今季こんな動画を上げています。

リーグとしても誤審を含めて認めて公表していこうという姿勢を出しております。
開幕戦から勝ち点を大きく左右する誤審があったりするわけで勿論審判の質の向上は必要でしょうが、その為の取り組みを色々と行っているのも確か。

そういった中で槙野選手の行為は想像力が欠けていると言わざるを得ない。
仮にジャッジがミスであったとしても許される行いではありません。
むしろ多くの人がファールと取れるシーンだったのが幸いなくらいでしょうか。

本当にはっきりと誤審だったとしたら騒動はこのレベルじゃ済まなかったかもしれません。
選手のSNS利用についての教育は協会側ももう一歩踏み込む必要がある時期になったのだと思います。