皆さんこんばんは。
夜磐です。

ワールドカップによる中断を終え、J1が再開となりました。
我らが磐田さんは、絶対王者鹿島とホームで対戦。
中断前に連敗を喫していた磐田さん。
中断期間中に新システムを導入し、再開初戦を迎えました。

ジュビロ磐田 3-3 鹿島アントラーズ

整列

例によって仕事が忙しくて試合を見られなかったのですが、
帰宅後にディレイでフルマッチを観戦したので、感想をば。


■試合の流れ
序盤から鹿島が攻勢。サイドを制圧し、磐田を激しく攻め立てる。
セットプレー崩れから磐田に先制を許すものの冷静に反撃を行い、
前半のうちに同点、後半の立ち上がりには逆転に成功する。
磐田はシステム変更を行い、一時は再逆転するものの終始鹿島の
攻撃を抑えることができず、終了間際に同点に追いつかれて終戦。
3-3で引き分けとなった。



■試合の感想

逆転に次ぐ逆転ということでエンターテイメント性は高かったですが、
磐田としては問題点が多く浮上した試合となってしまいました。

まずは、中断中に仕込んできたという新システム。
3バック1ボランチということで、2013年の記憶がフラッシュバックして
不安しかありませんでした。配置としてはこんな感じだったようです。
スタート

上記の戦術の肝としては、後方からのオーバーラップを武器とする
田口と上原の武器をより生かすために、彼らの後ろに宮崎を
配置することでリスクを低減させることのようですね。
どちらかが積極的に前に飛び込んでいくことで、クロスが上がった時に
中の枚数を増やす狙いがあったものと思われます。


ところが、しかし。
上記のシステムは鹿島相手に全く機能しませんでした。
両サイドの小川と桜内が相手のサイドバックに当たってたんですけど、
対面する西と安西からの配球を阻害することができず、
WBの裏をバンバン使われてサイドが決壊しました。
恐らくチームのモデルとしては、WBの背後はボランチからストッパーが連動して
当たることになっていると思うんですけど、連携が全然できてなくて、
簡単にボールを持たれては突破され、サイドを散々に使われました。
あまりにもボールを持たれてしまったため、前半の途中からは自陣の深くまで
ノープレッシャーで招き入れてしまうことになり、完全に蹂躙されました。
厳しい言い方になってしまいますが、システムとしては大失敗でしたね。
鹿島に決定力があったら、前半のうちに3点くらい入っていたと思います。

翻って、先制点のシーンではシステムの長所がいい意味で出ました。
サイドからのクロスに上原がフリーで飛び込んであわせたんですけど、
以前まででありましたらあそこに上原が入り込む仕組みはありません。
その点では、まるっきり無意味だったわけではありませんでした。

ただ、弱点があまりにもはっきりと出てしまったので、成功か失敗かと
聴かれたら完全に失敗といわざるを得ません。



後半になってもこの状態が続き、「この試合やばい」と私は思っていたのですが、
さすがに後半15分になった段階で名波監督も下記のとおりに配置をシフト。
要は、それまでのやり方に戻したということですね。
交代


この配置変更により磐田が安定性を取り戻し、攻め込む機会が増えました。
いけるかな、という空気が出ていたんですけど、その空気を敏感に察した鹿島が
ゲームスピードを落としファウルなどでゲームを頻繁に止めることで
その空気をつぶそうとしようとしたので、さすが鹿島だな、と。
同じことをするチームはたぶん他にもあると思うんですけれど、鹿島はそういうのを
違和感なくやってくるんですよね。これがチームとしての経験値でしょう。

ただ、この時点で自分はあまり心配はしていませんでした。
慣れた配置に変更すればそう簡単に決壊することはなくなりますし、
その状態でまだ磐田のベンチには山田、山本、中野といった選手がおり、
仮に鹿島に守備を固められてももう一段階ギアを上げることができます。
残り30分になってようやく勝ち目が出てきたな、と思いました。

しかしながら、その矢先に新里の驚愕のパスミスで鹿島に逆転ゴールを
献上してしまったので、思わず頭を抱えました。
失点の流れ、タイミング、どちらも最悪の失点。
なんでよりによってこのタイミングで…。
この失点でこの試合は終わったと思いました。


しかしながら、この時、鹿島の陣地で面白い現象が起きていました。
鹿島の守備陣が、松浦を見失い始めていたんですよね。

なにがあったのか、というと、話をシステム変更前まで巻き戻します。
磐田は後半途中まで自陣に釘付けにされていたんですけど、カウンターを
狙って松浦だけはずっと前線に残していました。
前線のサイド寄りに位置取ってボールを受けようとしていた松浦ですが、
松浦はドリブラーでありながらスペースがあると活躍できないという
J全体でもかなり特異な性質の選手であり、そのタスクではほとんど
輝くことができませんでした。
松浦の魅力は、相手がブロックをセットしているエリアに単騎で突っ込み
スペースのギャップを突いたりすることにあり、いくらスペースがあっても
サイドでは全く生きないんですよね。

それが、システム変更によりいつも通りのピッチ中央でプレーするように
なったことで、相手のギャップを突きまくる長所が後半途中にして
突如として輝くようになった…んだと思います。多分。

鹿島にとって致命的だったのは、CBのコンビが犬飼と町田という若手コンビで
あったことでしょう。急にピッチ中央に現れた松浦に対する対応に苦しみ、
もたついている間に松浦の突破から同点ゴールをブチ込まれてしまいました。
これが昌子や植田だったら、急な性質変更にも冷静に対応したと思いますが、
経験値の少ないコンビでは早急に対応することができませんでした。


その勢いで磐田に逆転ゴールを奪われてしまった鹿島でしたが、その後に
しっかりと同点ゴールを奪ってみせるあたりはさすがの一言。
この試合に関しては、鹿島の攻撃の前に磐田の守備はなす術がありませんでした。



試合としては、完全に鹿島の試合でした。
引き分けに終わってしまった要因としては、遠藤が前半で退いてしまった
アクシデントや、鹿島のCKが何回も見逃されて磐田のGKになってしまった誤審など、
運による要素が大きかったです。なので、鹿島としては納得いかないでしょう。
心中お察しします。


■磐田さんについて

引き分けを拾った磐田さん。満を持して送り出したはずの新システムは、
連動性皆無でまったく機能していませんでした。
これを継続するかどうかはわかりません。あんまりこだわっていると、
2013年みたいなことになると思うので、さっさと見切りをつけてほしくはあります。

数少ないポジティブなポイントとして、上原の存在感を挙げます。
後方からブチ上がってゴールを仕留める姿には、去年の川辺の姿が重なります。
ボールを積極的に奪いにいける要素を含めて、いい選手になったなぁと思いますね。
ガンバ戦では悪い部分が出てしまいましたが、ポテンシャルの高さを
改めて証明してみせました。今後も期待しています。

新里については、あのミスはもう切り替えてほしいと思います。
重大なミスであったのは事実ではありますが、ああいうのは長くやっていれば
誰しも一度はありますし、守備の選手ならなおさら。
視界の外からこられていましたし、仕方ない部分もあったのかな、と。
繰り返しさえしなければ、これ以上は言及する必要はないでしょう。
個人的には、どちらかというと試合の最終盤のクロス失敗の方が気にして
ほしいですね。あれはちょっとガックリきました。


今日は以上です。