今日、日本では日付が変わると共に開幕したロシアワールドカップ。開幕戦はロシア代表のゴールショーとなりました。
我らが日本代表は直前の監督解任等、色々騒がれましたが今出来る事を全てぶつけて欲しいものです。


このワールドカップ開催に伴いJ1リーグは中断期間に入っていますが、J2、J3リーグと国内サッカーは裏で行われています。

そんなリーグ戦と共に天皇杯は2回戦までが終了しました。
去る5/13 アスルクラロ沼津も天皇杯を目指し、静岡県代表を決めるスルガカップ決勝を藤枝総合にてHondaFCと戦いました。
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■戦いたかった相手HondaFC■
今年個人的に一番対戦を心待ちにしていた相手がこのHondaFCでした。
恐らくその気持ちは例え天皇杯に出て、勝ち上がった先で鹿島アントラーズと戦っても変わらなかったと思います。

JFL2年目からアスルクラロ沼津を見始めた私にとってもHondaFCというチームは特別な相手。
そして絶対に乗り越えたい、乗り越えなければならない相手。
JFL時代手も足も出なかった。JFLラストイヤーのHondaFC戦も防戦一方だった。

昨年のスルガカップ、HondaFCがベストアマチュアで静岡県予選に居ない中、アスルクラロ沼津は静岡県代表の座を掴んだ。その先にあったのは、京都との熱戦、マリノスへの挑戦だった。
「あのステージにまた立ちたい。またあの景色の中で今のアスルクラロがどこまでやれるのか戦いたい。」
一度覚えてしまったあの感覚を簡単に譲り渡したくない。

そして、この段階でアスルクラロ沼津はJ3リーグ1位、HondaFCは前節敗れJFL2位に後退したものの(この試合の直後に再度1位に浮上した)お互いに良い状態でこの試合を迎えた事。

全ての舞台は整っていた。何より、試合前にアスルクラロ沼津のコールリーダーから
「HondaFCには今まで0勝7敗1分(1得点18失点)かもしれない。でも自分達はJ3リーグの厳しい戦いを沢山戦ってきました。そろそろ勝ちたい!」

この言葉が凄く刺さりました。
J3の洗礼を浴びた愛鷹での開幕戦福島。ATに追いつかれた相模原戦、高温多湿の琉球戦、秋田の熱戦。
アウェイの厳しさを見せられた栃木、鳥取、藤枝や長野戦。
そして最終戦の優勝をかけた栃木との激闘。
2017シーズンのアスルクラロ沼津は厳しい戦いも沢山経験してきた悔しい想いも山ほどしてきた。

この日、アスルクラロ沼津のゴールに襲い掛かった児玉選手や大町選手、遠野選手等、HondaFCの選手も確かに素晴らしい選手。
でも、昨年アスルの前には色々な選手が立ちはだかってきた。秋田の田中選手、相模原のジョン・ガブリエル選手。何より栃木のペチュニク選手。天皇杯ではオリス選手や斎藤学選手、ウーゴ・ヴィエイラ選手。

色々な強敵と戦ってきた事をこの言葉で思い出した。JFLからJ3に昇格して1年。ここまでの全てをHondaFCにぶつけれれる事がとても幸せなことに思えた。


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キックオフが近づくにつれて、雨脚はより強くなった。
それでも応援エリアの芝生席には多くのアスルサポが集った。

試合が始まると序盤はHondaFCが攻勢に出た。縦に速いボールから児玉選手と遠野選手がゴールに迫る。
体格に秀でる児玉選手を必死に徳武選手や藤原選手が抑える。沼津の右サイドを抉ろうとする遠野選手やDFを振り切ろうとする児玉選手を右SBの熱川選手を含めたDF陣のカバーリングで何とか抑え込む。

時間と共に速攻が決まらなくなってきたHondaFCはボールを保持して厚みのある攻撃を展開。

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HondaFCの攻撃にはいわゆる「スイッチが入る」瞬間があってサイドからパスを横に回して後ろが上がってくる時間を作り、中盤と最終ラインのスペースとSBの外に一気に人が流れ込んで来て相手DFのマークの受け渡しでのズレをついってきます。
それでも、沼津もそこをしっかり狙い目にしていて、中盤の普光院選手や富田選手がこのタイミングを付いてボール奪取。

HondaFCは前に人数をかける分、後ろは薄くなるので前半途中から徐々にではありますが、畑選手・田中選手の前線が機能して前を向ける時間が増えてきました。

■再び立ちはだかった男■
試合は正に互角の戦い。むしろ後半に至っては徐々にリズムをつかんだ沼津の攻勢な時間が続きました。
何より嬉しかったのが、沼津のサッカーがここまで積み上げてきた「沼津らしいスタイル」のサッカーだった事。
しっかり守って前へ長いボールを供給しながらチームを押し上げる。普光院選手、富田選手が太田選手が、そして時には最前線の畑選手が守備にも走り相手に自由な状態で蹴らせない。

応援しながら、久々の現地観戦だった事もあってか「これが沼津のサッカーだよな…」とグッとくるものがありました。

それでも中々ゴールネットを揺らせずにいた沼津にあの男が牙をむいた。

後半も残り僅か、HondaFCボールのスローインになった瞬間、本当に少しだけマークの付きが遅れた。
百戦錬磨の男はこれを逃してはくれなかった。大町選手のフリックを叩きこんだのは、JFL時代最後の戦いでも決勝点を挙げた古橋達弥選手だった。

懸命に同点ゴールを目指した沼津だったが最後までゴールネットを揺らす事は出来なかった。
全国への扉は閉ざされた。そしてHondaFCには僅かに届かなかった。
悔しかった。それでもギリギリ届かなかったのが現実だった。

■いつかこの地に立つ為に■
6/6 IAIスタジアム日本平に私は居た。
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天皇杯に出場出来たら鹿島まで行くんだ!と休み申請を以前からしていた。
HondaFCとの戦いで天皇杯出場を逃したのでFC今治の試合を観に来たのだ。

IAIスタジアムで初めてエスパルスを敵に回す時はアスルクラロ沼津で

清水エスパルスをキッカケにJリーグを見始めた自分にとって、そう以前から考えていたがJリーグを目指す今治をこの日は応援しようと決めた。


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FC今治は勇猛果敢に戦った。元金沢の太田康介選手や元ソニー仙台の有間選手が居る事に驚いた。
ポゼッションしながらJ1相手に臆することなく闘った。通用していた部分と足りない部分がハッキリわかる試合だったが、持てる全てをぶつけていた。

J1の清水は初めて対戦相手として見たが、やっぱりJ1のチームは部分部分で上手さが段違いだった。危うい場面もあったが、GK西部選手のシュートコースの切り方は抜群だったし、決勝点のシーンは速いクロスを正確に捉える辺りは流石だった。

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FC今治のサポーターの皆さま
突然の応援参加にも関わらず、暖かく仲間に入れて頂きありがとうございました。
JFLでの時期も被っておらず、縁は無いチーム同士ではありますが、試合後にお話させて頂いた時にも交わした言葉「沼津で、今治で会いましょう!」
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今治の戦いを見て、改めて来年リベンジして天皇杯に出たいと思いました。

次は沼津のユニフォームを着て、まだ見ぬ強敵に挑みたい。
何でも思うようには行かないかもしれない。でもそれに立ち向かって、前を向いていつか手に入れると


日本サッカーは様々。アマチュアにプロ、目指す場所も違うかもしれません。

余談ではありますが、藤枝でのHondaFC戦の時、隣接のグラウンドで試合をしていた沼津西高校の応援をアスルクラロ沼津のサポーターが一緒になって応援し0-2から追いつきPK勝ち。(自分はPK戦の時に見に行ったのでそこしか見れませんでしたが)

「最後まで諦めない」大事な事を改めて思い出させてくれました。ありがとう!

沼津西高校はアスルクラロ沼津のGK福留選手が指導に参加されており、偶然にも同日に会場が重なる。そう言った偶然が繋がりを産んだ事は同じ地で活動しサッカーを愛する仲間としてとても良いなと思いました。


高校生もJ1のプロも、その全ての頂点が日本代表だと思います。
様々な物議を呼んだ監督交代、立ちはだかる強敵。あれこれ言っても過去には戻れない。
今出来る事全てをぶつけてきてください。頑張れ日本代表。

あーだ、こーだ…では無く、戦うチームが自分は見たい。