皆さんこんばんは。
夜磐です。

今節はDAZNで静岡ダービーを見ました。
好調の清水を、苦境に立つ磐田はどう迎え撃ったのでしょうか。

ジュビロ磐田 0-0 清水エスパルス


■試合の流れ
前半は清水ペース。開始14秒でいきなり金子が決定的なシュートを放つと、
8分には石毛のシュートがポストを直撃。その後も清水が磐田を攻め立てる。
防戦一方となった磐田は5バック状態で守備に専念。失点こそ防ぐものの
攻撃は単調となり、全くチャンスを作れない。終了間際に中村俊輔が
遠目からのシュートを放ったのを唯一のチャンスとし、前半は
一方的な清水ペースで終了した。
後半は翻って磐田のペース。開始直後にCKから川又のヘッドで惜しい
シーンを作ると、前半は守備に専念していた左右の両WBが高い位置を
とって攻撃に参加。前半よりも多くのシュートチャンスを演出する。
しかしシュートが枠にいかず得点機会を逃すと清水が徐々に押し返し、
終盤はオープンゲームに。清水はチョンテセ、磐田は小川まで動員して
得点を狙うが最終的にどちらもゴールを奪えず、スコアレスドローで
試合は決着した。


■試合の感想
前半は清水、後半は磐田のペース。
スロースターター気質のある磐田は、ハイテンションな清水に対しては
まず守備を念頭に置いて試合に入り、失点0の時間をできるだけ長くして
少しずつリスクを犯していくのが理想です。先週の浦和戦、週半ばの
甲府戦と直近2試合連続で逆転勝利を収めているとはいえ、今季の磐田が
先制されるとかなり苦しくなるのに変わりはありませんからね。
その観点でいえば、前半清水にペースを握られたこと自体は、
磐田としては問題はありませんでした。ただ、守備を固めていても
点を取られそうだったので、そこは見ていてハラハラしました。
結果的に前半をゼロで終われたことが、後半に繋がりました。

翻って清水は、前半に最低でも1点は取っておきたいところでした。
清水としてはできるだけ早く先制点を奪い、後はボール奪取能力の
低い磐田に対してローリスクなカウンタースタイルをとるのが理想。
かなりテンション高く試合に入ってきたのは、そういう狙いが
あったからではないかな、と。
ポストを直撃した石毛のシュートは惜しかったのですが、あれは
シーズン中にそう何発も入るものではないので、どちらかというと
惜しむべくはフリーでシュートを打つ機会が複数回あった
金子やデュークの方ですね。どれか一つ決まっていれば、
試合の決着は違っていたでしょう。

後半、磐田が押し込む展開の中で、名波監督が右WBの櫻内を下げて
荒木を投入する采配を見せた時は大変驚きました。
荒木はアタッキングサードでは櫻内より仕事ができますが、
守備時の強度は圧倒的に櫻内を下回ります。
櫻内がいなくなったら清水にサイドの通行証をあげてしまうような
もので、そもそも押し込む状態を維持できなくなります。
実際、この交代を境に磐田が押し込めなくなってしまったので、
当方としては名波監督のとんでもない采配ミスだと思って
いたのですが、試合後のコメントを拝見したところ、櫻内が
相手を捕まえられなくなってきていて、先手を打ったとの
ことでした。DAZNで見ている限りは感じなかったのですが、
名波監督が言うのであればそういうことだったのでしょう。


■磐田について
試合前の当方の予想よりも、ずっと良い内容でしたね。
清水に押し込まれた時間帯もありましたが、上記の通りある程度の
狙いをもって試合を進められていたと思いますので、試合後の
名波監督の「90分通して見れば我々のゲーム」という言葉も
決して強がりだけではないと思います。

田口と上原のドイスボランチが非常に良い出来でした。
劣勢だった前半は中央を割らせないように二人で綿密なフィルタを張り、
相手を押し込んでいた後半はミドルサードのこぼれ球の大半を
二人で拾って2次、3次攻撃に繋げていました。
両者とも縦方向に決定的なパスを出せるのも強み。

もともとある程度の期待値があった田口も良いのですが、
ポジティブな驚きという意味では上原は出色ですね。
去年の後半に台頭してきて期待するする気持ちも当然ありましたが、
今季ここまで改めてよくやってくれていると思います。
身体は大柄ではありませんが、馬力が強く球際でハードな守備が
できますし、攻撃面においても左右にパスを散らしつつ
中央から鋭い縦パスも出せます。対人の守備力では後塵を拝するものの、
ムサエフの穴は完全に埋められたと思っていいでしょう。

相手のシュートミスもあったとはいえこの日も完封を果たし、
去年に近い強度が去年に近付いてきた一方で、攻撃については
依然として改善の余地が大きいです。
この試合も、チャンスは作っても最後まで得点は奪えませんでした。
今季ここまでリーグ戦6試合で被完封は4。守備力がベースの
チームとはいえ、この数字はちょっと看過できませんね。
守備力だけではJ1に残留できないことは、去年の甲府が証明済み。
得点を奪うための仕組みの構築は必須事項です。
アダイウトンの穴を埋めることは並大抵ではありませんが、
なんとか取り組んでいってほしいですね。

あとは、荒木が途中からとはいえ試合に出られたのは
非常にポジティブだったと思います。水曜日の甲府戦でチームを
逆転勝利に導く2ゴールを決めるという結果を出した荒木は、
この試合でもゴール前でチャンスを作る動きを見せました。
ルヴァンカップで結果を出せばリーグ戦に絡めるということが
明確になったので、ルヴァンカップを戦うメンバーにとっては
大きな励みになると思いますし、そういう部分でチーム全体で
活気が出てくるでしょう。


書きたいことは大体書けたので、今日は以上です。