皆さんこんばんは。
夜磐です。

今週末ついに2018年Jリーグ開幕ということで、一部カードは明日ですけれども、
いよいよきたか、という感じです。
そこで、2018年の磐田さんについて、簡易的にまとめてみようかと思います。
磐田さんの現在地と、去年からの変化、そして今季について、サクッと書いて
みました。暇つぶし程度にお楽しみください。


■名波監督が掲げるコンセプト
まずは名波体制下におけるジュビロ磐田のサッカーについて整理をば。
現役時代に巧みなパスセンスで鳴らし、監督就任時も「アクションサッカー」
というワードを用いたことで、「名波監督はポゼッションサッカーを
志向している」との理解をされることが多いが、厳密にいえば名波監督の
言うところのアクションサッカーとボールポゼッションはイコールではない。
名波体制下におけるジュビロ磐田のコンセプトは、攻守両面において
自発的に動作を起こすこと。例えば、守備時に相手のミスを待ち続けるのは、
受動的な守備であり、目指すところではない。能動的な守備とは、相手が
ボールを持っている際にアプローチをかけることで相手のミスを誘発していく
ことを指し、その場合はボールを支配していなくてもアクションサッカーと
表現できる。相手のミスを偶然ではなく必然とすることで、得点や失点、
勝点などの数字を安定させようというのが名波監督の意図するところではないか、
と当方は認識している。


■理想に対する進捗
コンセプトは上記のように定義したところで、その達成率はどれほどか。
残念ながら、現時点で磐田のサッカーは上記のコンセプトをほとんど
満たしていない。J1復帰1年目の2016年はかなり積極的にボールを奪いに
行くスタイルを実装しようとしていたように見受けられたのだが、仕組みを
上手く構築できずJ2再降格寸前まで成績が低迷。翻って6位にジャンプアップした
昨季は、あまり前から奪いに行かず、ロングカウンターとセットプレーでゴールを
狙うという、物凄く悪意を込めた言い方をするのであれば「典型的な下位の
サッカー」に徹していた。6位という結果は幸運に頼る部分が大きく、
だからこそ名波監督が昨季の成績について「出来すぎ」と表現しているのだろう。
アクションサッカーをやろうとすれば成績が安定せず、リアクションサッカーで
上位に進出したものの今のサッカーでは昨季の成績を維持することは不可能。
周囲の印象に反し、名波体制下の磐田はジレンマに苛まれている。


■今後向かうべき方針
当然だが、アクションサッカーを体現できるようになることが理想であり、
望ましい。しかしながら、その理想に至る ためには一時的にチームが弱体化
することが予想される。能動的なサッカーはハイリスクであり、仕組みを
上手く構築できなかった場合はリスクの波に飲まれることになる。そのリスクを
負ってでも理想を目指すのか、或いは今のシンプルなやり方を継続してJ2降格
だけは避け続けるか。どちらも等しく正しく、そして等しく間違っている究極の二択。
これについてはもう、SE的な用語を用いて話をするなら、"決め"の問題だ。
どちらが正しいということはなく、組織としてどちらを望むかということだけ。
当方としては、なんとなく名波監督は、リスクを負う方を選ぶのではないかと
予想している。そして、その結果うまくいかず、J2に再度降格することも、
十分にありえる話。2018年の磐田は、かなり厳しい状況に追い込まれる
ことになるだろう。


冒頭からネガティブな話を炸裂させてしまったが、気を取り直して
各ポジションごとに評価していこう。


☆・・・加入
★・・・退団


GK
カミンスキー
八田直樹
志村晃
三浦龍輝

★牲川歩見(→沼津:レンタル移籍)
GKは昨季より入れ替えなし。今季もカミンスキーをレギュラーに、2番手以下を
日本人3人で争う。昨季は4人全員が公式戦に出場してそれぞれ何らかの成果を
残しており、体制として不足はない。2番手については昨季は途中から三浦が
定着していたが、それも一端リセットになり、新たに序列争いが始まるだろう。
昨季、群馬で暗澹たるシーズンを送った牲川については放出もありえたが、
保有権を維持した まま沼津にレンタル移籍することでとりあえず本年は決着。

CB
大井健太郎
高橋祥平
森下俊
藤田義明
大南琢磨

新里亮(←甲府)
CBは選手の退団はなく、新里を獲得したことでプラス収支。
ただし平均年齢が28.5と高めなのが注意点。30代に入ってフィジカルのピークを
過ぎた選手のパフォーマンスが短期間で下降することは、ありえない話ではない。
「年齢は関係ない、実力重視」というのは名波監督の弁ではあるが、
現実的にはまるっきり無視するわけにもいかないだろう。
プロ3年目の大南が今年から試合に絡めるようであれば心強いのだが。

SB
櫻内渚
小川大貴
宮崎智彦

ギレルメ(←パイサンドゥ)
中村太亮(→大宮)
石田崚真(→金沢:レンタル期間 延長)
中村太亮が移籍してしまったため頭数が足りなくなってしまっていたが、
ギレルメを獲得したことで一応は両サイドに2人ずつ揃えることに成功した。
代表クラスの面子ではないが、J1でも破綻しない程度の強度は備わっている。
金沢にレンタルした石田を戻さなかったのは意外だったのだが、
将来的には使う想定があるにしても、今季は出番がないと判断されたかもしれない。
左については、ギレルメと宮崎のどちらが固定されるかは現時点では不透明。
宮崎が開幕直前に肉離れを起こしたため、序盤についてはギレルメの
起用が予想されるが、キャンプやTMを通じてギレルメがメンタル面で
いまひとつフィットしていないのが気になる。注意されるたびにふてくされて
罰走を繰り返しているようでは、起用に心許ない。序盤については、
小川を左で使う可能性もある。

DH
ムサエフ
山本康裕
上原力也

田口泰士(←名古屋)
伊藤洋輝(←磐 田U-18)
川辺駿(→広島:レンタル期間満了)
上田康太(→岡山)
レギュラーの川辺、2番手の上田が揃って退団。昨季終盤に台頭した上原、
怪我から復帰する山本康裕がいるとはいえ、マイナス値は計り知れないと
考えていたのだが、田口の加入という予想外の補強があったため、マイナスは
限りなくゼロに近付いた。田口がコンスタントに出場を続けることができれば、
強度面ではJ1でもそこそこ耐えうることが可能と想定している。
一応、後述する針谷の本職もボランチではあるのだが、フィジカルの強化が
完了するまでは身体的負担の少ないトップ下での起用が名波監督と本人の
合意の下で決定しており、恐らく今季についてもその方針となるだろう。
新卒の伊藤共々、まずは身体 造りに専念してほしい。

OH
中村俊輔
太田吉彰
アダイウトン
松浦拓弥
山田大記
荒木大吾
松本昌也
針谷岳晃
藤川虎太朗

清水貴文(→未定)
今季の磐田のシステムが不明であるため、とりあえず二列目を担う選手については
センター、サイド関係なくこの項目で取り扱うことにした。
2列目については、上積みはないがマイナスもなく、昨季同等の戦力。
一昨年から昨年にかけてこのポジションに若手含めて積極的に補強を実施して
いるので、マイナスがなかった今年は補強の必要がないと判断されたのかもしれない。
水戸にレンタル移籍していた清水貴文が退団しているが、カップ戦含めても
公式戦でほとんど起用されていないので、本人には申し訳ないながら影響は最少。
人数こそ多いがそれぞれ個性があり、完全に互換性がある選手はいない。
藤川だけ個人的にプレーを見たことがないので何とも言えない部分ではあるが、
恐らく上記のメンバーを状況や調子に応じて使い分けていくことになる。
中心になるのは当然中村俊輔だが、昨季はリーグ戦30試合先発という驚異の稼働率を
誇ったものの、やはりどこかで出られなくなる時期がくる想定は必要。
1年かけて中村俊輔のチームとなり、また中村俊輔不在にプレースキッカーを担い
いくつかの勝点を呼び込んでいる上田康太もいなくなってしまったので、
中村俊輔不在時の影響については昨季以上に神経を使う必要がある。

CF
川又堅碁
小川航基

中野誠也(←筑波大学)
モル ベッキ(←熊本)
斎藤和樹(→岡山)
岩元オリビエ(→引退)
代表復帰まで果たしたエース川又の威力は十分だが、選手層の問題で補強が必須に
なっていたCF。斎藤の移籍に伴い、補強の必要性はさらに加速した。
とはいえレギュラークラスの補強はなく、新卒の中野とJ2熊本で数試合に
出場した経験のみの二十歳のモルベッキら2人の獲得のみにとどまった。
正直なところ、川又が怪我で長期離脱などしようものなら相当まずいことになる。
長期離脱から復帰し、キャンプで好調な動きを披露していた小川航基に
期待したいところではあるのだが、前十字靭帯損傷は完治しても元の出力に
戻らないことがある重傷。様子を伺いつつ、我慢しながら起用していくことに
なるだろう。




さてまぁ、ここまでいろいろ書いてきて、ちょっとネガティブなことも
書いたんですけど、しかし私は現体制下の磐田を信用しています。
私の心配くらい、名波監督だったり、社長だったり、コーチだったり、
あるいは選手達自身が私以上に承知していることでしょう。
だから、私は粛々と、彼らの戦いに寄り添っていたいと思います。

さぁ、今季もサッカーを楽しもう!





追記)
昨日、2018年2月21日未明、俳優の大杉漣さんが急性心不全のため
亡くなられました。俳優としても好きな方でしたが、それ以上に
地元のヴォルティス徳島を応援し、プライベートでサッカーチームを
結成しプレーしていたサッカーファンぶりに、誠に勝手ながら
親近感を感じておりました。大杉さんのように、いくつになっても
サッカーを見たりプレーしたりしていることが、私の理想です。
まだ66歳とのことで、亡くなられるにはあまりにも早く、
そして惜しく思います。
心より御冥福をお祈り申し上げます。