今シーズン初めての現地観戦に行ってまいりました。
町田での試合が気を抜いてたところチケットが完売してしまったこともあり、中々現地に行く機会がなかったのですが、人生初の日本平に参戦。

非常に見易いスタジアムで気候も良く、道中には沢山の桜が咲いていい景観だと思います。

さて、ここからは試合内容。

セレッソは茂庭の怪我によりCBは田中。残りは現時点でのレギュラーメンバー。
前節から変わらず。

試合前、チェックポイントにしていたのは2点。

・エースとされる大前とマッチアップするのは本職ではない田中。
・恐らく交代で出てくるであろう村田とマッチアップになる丸橋の守備面の不安。

まずスタメン発表時に驚きだったのは村田が先発だったこと。
丸橋の守備面での不安を考えれば60分過ぎ辺りの投入が一番厄介だと感じていた。

試合が始まってからの印象は最初の想像とはかなり違うものでした。

・オーストラリアの重戦車 ミッチェル・デューク(スタジアムアナウンスより)

開始から明らかに1人だけ厄介だったのはこの男。
最初の競り合いで山下と潰れるシーンを見た時に危機感が湧きました。

同様のシーンを作られ山下が潰れた時に、周囲の飛び込みが「あれば」危険だろうと。(結果から言えば大前・村田がセカンド-ボールにゴール前で飛び込むシュートを打つようなシーンは試合を通して一度もなかった。)

これに対する対策は早く、山下ではなくソウザをまず一度ぶつける形にしています。
それでもデュークはポストプレーで何度となくボールを繋いだが、後ろに山下が余っているという点でリスク回避は出来ていました。

デュークは大前とポジションを入れ替える。
競り合う対象はソウザから山村に。

問題は山村がソウザ以上にハイボールに強いことであり、結果デュークはサイドや中盤など少し低い位置で起点を作るようになりました。

結果的にデュークは何度かチャンスを作り、チーム最多のシュートを放っておりますが、ゴールに繋がることはありませんでした。

・デュークの交代は妥当だったのか

この試合の交代策を語る上で恐らく一番の肝になる部分。
直後の失点とその後の決め手の無さもあり、批判の強い部分ではあるでしょう。

デュークのこの一連の動きは走行距離に出ており、交代時点では村田に次ぐ距離になっている。
また、地上戦で縦への走りを繰り返している村田と違い、縦横無尽に動き、山村・ソウザ・山下と競り合い続けているデュークは明らかに交代時点で疲弊していたように見えました。

清水の敗因は交代、というよりは交代前に先制出来なかった部分。
それから後述する失点シーンの細かなディティールにあります。

・大前元紀の90分

この試合完全に消えていた清水の便宜上のエース。

前述した通り彼のポイントはミスマッチになる筈でした。
目の前の急造CBを躱しさえすれば得点機を作ることは出来た筈なのですが…。

まず最初の問題として、仕掛けるシーンが殆ど見られなかった。
基本的に横パスとバックパスに終始しました。

この試合で僅かに仕掛けたシーンでは田中、それから松田陸に難なく止められていたのは確かですが…。

デュークとのポジションチェンジの時には対面には山下が入りました。
少なくともこの試合に関して言えば、山下は大前より明らかに格上に映りました。

デュークが動き回り始めると、ポストプレーでボールが来てもシュートに向かうシーンは見られず。
デュークの交代で起点を失うと完全に試合から消失してしまいました。

仕掛けて破れない大前元紀ならそこに居る価値はないでしょう。
テセデュークの先発の方がまだ可能性があったかもしれない。

・セレッソに於ける左サイドの攻防。

もう一つのポイントであった村田・丸橋の対面。
ここでセレッソが立てた対策はシンプル。

スピード、フィジカル共に村田に勝るブルーノに対応させる。

村田にブルーノをぶつけ、丸橋がスペースを潰しました。

開始3分のシーン
村田1

手前に居るのが村田。
その奥にブルーノであり、右に映るのが丸橋。

村田2

パスを受けて縦に行く村田を追うのはブルーノ。
丸橋はカバー。

村田3

ブルーノは見切れているがボールを奪い丸橋に渡しました。
サポートもなく、きっちり対応出来ています。


17分のシーン。

村田4

少し遅れていたが、対応するのはブルーノ。

41分のシーン。

村田5

3分のシーンのリプレイのようですが別のシーンです。

ブルーノは小柄だが、スピードとフィジカルがあり献身的であること。
彼の特徴が如何なく発揮されたのが左サイドの攻防でした。

丸橋との縦の関係も試合毎に改善されており、彼の献身は丸橋の攻撃参加に繋がっています。

関口が控えている為、飛ばしてもある程度安心出来る陣容になりました。

上記のように3つの攻め手を封じたセレッソですが、得点シーンはどのように生まれたのでしょうか。
簡単に言えば、リカルドがターンしてシュートするほどの余裕が生まれたのは何故か。

・リカルドのゴールシーン

さて、ここも画像で振り返りましょう。

リカルド1


右下には起点になったリカルド。
サポートに杉本、更に中には柿谷。
この段階で守備の枚数は十分に足りていますし、リカルドがゴールを決めるシーンに繋がるようには全く見えません。

リカルド2

杉本に下げたシーン。杉本を挟み込もうとするDFと左側にサポートに来ている山村が映っております。

リカルド3

挟まれそうだった杉本は当然山村にパス。
柿谷は一度動き出したもののボールが出ずに動き直しに入ります。
同時にリカルドが少し中に動いてますね。
画面では更にサポートの松田陸。
奥にはブルーノですが枚数は十分に足りています。

リカルド4

山村が更に松田に下げました。
柿谷とリカルドが並んでおり、リカルドのマークが近くについています。
柿谷のマークは柿谷が動き直すのを見て少し中央寄りに。

リカルド5

さて、問題のシーン。山村が松田からリターンを受けております。
柿谷が一瞬外に逃げる動きを行った結果、リカルドについていた三浦が外に釣られております。

問題の1つは山村のマークだった竹内が外れて前を向けていること。
そしてもう1つは当然リカルドがフリーになっていること。

この間に何があったのか。
リカルド追加

一瞬前の写真。
柿谷が動き出しており、三浦がついていきます。
ここで松田のパスフェイクに釣られた竹内がコースを切りに動いてしまいました。
しかし、ビョン ジュンボンはスライドする素振りがありません。

リカルド6

結果フリーのリカルドへ。
しかしここから彼は予測不能の行動に出ます。

リカルド8

心の声(なんでターンしたのにディフェンスに向かってドリブル入れてるんだこいつ…)
しかしそれでも間を詰めないビョン ジュンボン、そして振りぬいた左脚。

リカルド9

俺は流石にスタンドで声を出しました。
「(あそこでドリブル入れてもブロックもされずにゴールが決まるなんて)嘘だろ」と。

ここまでチャンスを潰し続けたリカルドの貴重な先制弾はこうして生まれました。
断じて彼の個人技ではなく、個々の動きと対応の不味さが重なって生まれた必然のゴールでありました。

しかし最初の写真のシーンでボールを残し起点になったリカルドのプレーは素晴らしく、彼の献身的なプレーが生んだゴールなのは間違いないです。

スカパー実況「ちょっとエスパルスとしては寄せが甘くなりましたね」
視聴者(そうだな、ぽっかり空いたな)

スカパー実況「このリカルドの…非常に高い決定力!」
視聴者(こいつここまで何を観てきたんだろう…)

2点目は単純でビョン ジュンボンのヘディングのクリアが小さく、山村の足元に落ちたことが原因でした。

・その後の対応

デュークを交代しポイントを失った清水は、CBからのロングボールが出なくなりました。
セレッソは運動量の落ちたリカルドを澤上に交代。

彼を含めた前線の行動はシンプルであり、CBは放置し、ボランチとサイドに入ったボールを徹底的に狩りに行きました。
CBはロングボールを蹴らず、ただボールを回すだけに終始した為ピンチらしいピンチも生まれず。
この段階で試合は詰み。

最後に玉田を出して試合終了。
今季初の複数点差での勝利となりました。

試合中周囲の席ではこんな声がありました。
「久し振りにサッカーを見ている。去年の蹴鞠か何かとは違う。」

清水的にそうなのかもしれません。
セレッソ的にも今日の試合は久し振りにいい内容が観れたのではないかとは思います。

右サイド、左サイド、ボランチ、センターバックの各ユニットが機能しており、あとは一番前かなと。

久し振りに現地で見た杉本はかなり優秀な選手になっておりました。
守備での対応、競り合い、繋ぎの部分でも改善が見られ、彼の懐を活かしたプレーはやはり素質を感じます。

この試合について2点不満を上げるとすれば、まず審判。
ジャッジが全く安定せず、会場の雰囲気に左右されるなど、現地で見ると特に強い不満を感じるジャッジでした。
コミュニケーションを取らずに止まっている場面で無駄に笛を鳴らし、杉本へのイエローカードの提示の仕方も酷いものでした(判定自体には不満はありません)。

J2だし仕方ない、取りあえず名前だけチェックして今後気を付けておこう。と思ったのですが、確認して驚きました。
プロフェッショナルレフェリーの飯田主審でしたね。

現地で見ていてここまで主審にストレスがあったのは佐藤主審以来2度目ですが…。
改善して欲しいところだなと。

もう1点。
帰ったあと、オンデマンドで見返していたのですが、試合終了後の解説にはかなり不満が強いところ。

スタッツに対する鈴木啓太の頓珍漢な発言。「スプリントは清水の方が多いかもしれませんね」→明らかに少ないデータ公開からのしどろもどろな対応。
戸田の明らかに偏った解説、柿谷に対する結論ありきの質問や質問中の態度等。

ヒートマップを見せてからの質問自体がそもそも意味不明なのですが…。
それを差し引いても、結果を受けてなのか明らかに不機嫌な態度が見えていたのは流石にどうかと。

清水氏のネガティブな解説を沢山聞かされていたセレサポの自分ですら勝利後にあそこまで批判的な態度の試合後インタビューは見たことないのではと思います。

何にせよ勝ち点19
自動昇格の目安になる勝ち点80まではあと61。
開幕で苦戦した町田が背後に迫っており、ペースを落とさず積みたいところ。

また現地に行ける機会があれば、記事を書きたいと思います。