フットボール マンション

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2018年12月

皆さんこんにちは。
夜磐です。

完全に今更感がありますが、2018年シーズンお疲れ様でした。

歳末ということで、今季の磐田さんの戦いをザックリと振り返って
みようと思います。

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■前期 "スナップショットの喪失"
まず磐田さんの今季がどうしてここまで不安定になったかというと、
進化を試みる過程でスナップショットを失ったことにある。
戦術をより洗練させ、選手層を厚くすることを目指すのはどのチームも
同じなのだが、基本的には進化に失敗した場合に最低限ここまでは
切り戻せるという復元ポイントが用意されている。
稀に土台ごと全部ぶち壊して進化を試みるチームもあるが、
そういうチームは大抵失敗して順位を落とす。
磐田としてもその認識はあり、実際にチーム構成では昨年のものを
踏襲することが可能な構成になっていた。少なくとも、序盤は。

しかしながら、序盤にして早くもそのスナップショットが瓦解した。
きっかけは、開幕戦で川崎に完敗したこと。キャンプで
練習してきたという新たな手法を封印し昨季と同じスタイルで
この試合に臨んだのだが、単純に川辺の分がマイナスになっただけで
その補填ができず、一方的に蹂躙されてしまったのだ。
もっとも、この試合では田口をベンチスタートとし、ボランチに
調子が上がっていない山田を使うという妙なことをやっていたので、
メンバー選択さえ間違わなければ、完全ではなくてもある程度の
切り戻しはできたはずだった。

だがしかし、非情にも事態は悪化した。怪我人の多発である。
ボールの運び手からフィニッシュ役まで手広く担い、カウンターの
急先鋒と なっているアダイウトンが4節にして離脱。さらに中盤で
ひたすらボールを奪いまくるタスクをこなすムサエフまで春先に
離脱してしまった。昨年の磐田のサッカーを体現するうえで
この二人の存在は不可欠。さらに俊輔まで不在となるケースが
増えてしまったので、セットプレーでの得点力も削ぎ落された。
ついでに左サイドのギレルメが試合中の暴力行為で契約解除。
こうして磐田は切り戻し可能な土台を失い、リスク満点の
不可逆的進化に足を踏み入れることになる。

上記の通り磐田はかなりリスキーな状態になっていたのだが、
そんな状態でもW杯中断前に勝点を20点積むことができたのは、
昨季から継続して守備が安定していたからに他ならない。
どんだけ攻め込まれてどれだけシュートを打たれようが、
大井と祥平と新里が身体を張ってコースを限定し、カミンスキーが
スーパーセーブでゴールを守った。あとは相手が焦れてミスしてくれれば
儲けもの。こういう"我慢比べ"スタイルで中断前は勝点を重ねた。
鳥栖や仙台、柏はずいぶんと不快な敗戦だっただろう。

一方で得点力については欠如が著しく、中断前の16試合中
被完封が7試合に到達。これは長崎に次ぐワースト2位の数字であり、
改善は必須な状況ではあった。

■後期 "戦術ミスと大量離脱"
W杯による中断期間中、磐田は新システムの完成に費やした。
上記の通り不可逆的進化を要求されている今、無理にでも完成を
早める必要があったのだろう。だがしかし、中断明けに登場した
新システムは、なんというか、機能し得るはずがない代物だった。

詳しくはこちらを参照。

中断明けの3試合は引き分けで勝点を重ねたが、いずれの試合でも
新システムを採用している時間は相手に一方的に蹂躙されており、
元に戻してようやく試合になるような有様であった。
さすがにあまりの惨状に名波監督も新システムを放棄。
今まで通りに戦うことになったのだが、中断期間中の積み上げが
全て無に帰した事実は重くのしかかった。他のチームが軒並み
完成度を高める中で、全く積 み上げができなかったのだから。
そして8月頭のガンバ戦で、トドメとなる出来事が発生した。
DFの新里までもが、靱帯損傷および骨折で離脱してしまったのだ。

チームの歯車が狂う中でも、守備だけは耐えられて
いたからこそコンスタントに勝点を重ねられていた。
だがしかし、そこに最終ラインのレギュラーの一角までもが欠落。
積み重なった事象がついに、現実に耐えうる許容量を超えた。
この時期以降、磐田は急速に結果を出せなくなり、チームは
暗澹たる状況に引きずり込まれていくことになった。
それでも最終的に勝点を40以上積み重ねたのは評価できるのだが、
今季の特異すぎる残留争いのせいでプレーオフという余計な舞台に
落ちていくことになってしまった。

以上が、磐田がこのようなシーズンを過ごしてしまった経緯である。
主力選手の大量な負傷離脱、監督の采配ミス、稀に見る激しい残留争い。
どれか一つであれば耐えられたのかもしれないが、すべてが偶発的に
同時に発生してしまったため、磐田にとっては苛烈なシーズンに
なってしまった。正直、どうしようもない問題もあったのは事実である。
ただ、必ずしも不運ばかりだったのではなく、例えば機能するはずがない
システムに固執して中断期間を有効活用できなかったこと、およびメンタルに
問題のある選手を組織に加えたことなどは、明確にチームとしての
失敗である。これらについては、改善点として社長以下スタッフまで
強く認識していることを願う。

あとはまぁ、チームの成績降下に伴い、ラフプレーやお世辞にも良質とは
いえない時間稼ぎが増えたことで、アンチ磐田を好意的に捉えない諸侯に
格好の攻撃材料を与えてしまったのが、見ていて忸怩たる思いだった。
嬉々としてその点を指摘している諸侯を見るにつけ、磐田のそういう姿が
よほど嬉しいのだろうなぁと嘆息したこと数知れず。
欠点を見つけるために嫌いなチームの試合をわざわざ見て、SNSに投稿し、
志を同じくする仲間達とそれを話の肴として盛り上がる行為は
性格が捻くれている自覚がある当方でも足を踏み入れない領域。
他にどうなったとしても自分は斯くあるまい、と思った次第。

■どうなる来季
さても来季の体制であるが、最後まで来季のディビジョンが確定
しなかったので、補強については恐らく他クラブから後れを取っている。
残留を勝ち取ったとはいえ、PO圏転落の影響はこういう部分で
確実に出てきてしまう。GMが水面下で精力的に動いてくれている
ことを信じたい。

名波監督の続投については、私から是非を問うことはできない。
今季の低迷に名波監督の采配ミスが影響していることは上記の通りだが、
あれほどの低迷をしても組織的な不協和音が公にならなかった点は
組織作りに関して多少の評価が可能である。低迷しているチームには
野次馬根性で実情を探ろうとするものが近付いてくるのが常なので、
そういう出歯亀をもってしても内部の亀裂を嗅ぎ付けられなかった
ことは割と重要だった。また、代わりに誰を連れてくるのかというと
私には心当たりがない。ビジョンのない解任は、組織として破綻した
名波監督就任以前の磐田に逆戻りしてしまう恐怖感を煽る。
もちろんいつまでも名波監督に無条件で任せられるわけではない。
いつか は、組織作りではなくより勝利に向けた采配ができる監督に
舵を切る必要はある。だが、それが今である必要性は、それほど
強くは感じていないということだ。

ただ、あえて不安を述べるのであれば、入れ替え戦の試合後に
名波監督が「負けたら辞任していた」と述べたのは好ましくない。
私のこれまでの観戦歴上、この言葉を口にした監督の大半はその後
上向くことなく程なくして辞任または解任で退任に至っている。
責任を感じての発言とのことだと思うが、あの発言は
あまりしてほしくなかった。

現実的な選択肢としては、参謀役のコーチを新たに招聘しては
いかがだろうか。選手への指導だけでなく、戦術面で監督の相談役
になったり、場合によってはアドバイス等ができる人がいれば
致命的な采配ミスは回避できるのではないかと思う。
名波監督は嫌がるかもしれないが、そこらへんは今季の成績を
鑑みて納得して頂く他ないでしょう。幸いにして選手は
求心力を失っていないので。

では、選手ごとに今季を振り返ってみよう。



■GK
八田直樹
今季はついに第4GKに。天皇杯1試合に出場したが、中京大相手に2失点。
失点はGKだけのせいではないことは重々承知しているが、それにしても
大学生に2点ブチ込まれるGKはトップではなかなか使いづらい。
今季に何かしらの決断が下される可能性はなくもない。

カミンスキー
基本的にフル稼働。ロースコア狙いの試合で見せるスーパーセーブは
相変わらずだが、3点以上取られると途端にやる気をなくすという
これまであまり見せてこなかった欠点が露見した。
いくつかの試合でズルズルと失点を重ねたことがPO圏転落の遠因に
なったので、実力に疑いはないがちょっとばかし責任は感じてほしいところ。
そういった部分を含めて、去年ほどのインパクトはない。
それでも現状では一番手の座に揺るぎはなく、不動の存在。
契約が来年いっぱいで切れるので、延長できなかったら下手すると
今年で売却になってしまう。お願いだから契約延長して。

志村滉
ルヴァンカップ予選3試合に出場。結果は残したが三浦の牙城は崩せず、
出場機会を減らした。夏には拒否していたはずの育成型レンタル移籍で
水戸に修行に行ったものの、予定を切り上げて復帰。
いったい何しにいったのか。というか、そもそも何が起きていたのか。
実力自体は疑いようはないが、2年前の実績がそろそろ賞味期限切れ。
牲川が沼津でそこそこ良いシーズンを過ごしたらしいので、
アドバンテージはほぼ無い状態。どうなる来季。

三浦龍輝
年間通して第二GKの座を守り、リーグ戦2試合に出場。どちらも負けたが、
相手が悪かった試合(神戸戦)と味方が悪かった試合(名古屋戦)試合なので、
三浦の責任は薄い。あえて言えば神戸戦の1点目はカミンスキーなら
防いでたかな、くらい。名古屋戦は負けたとはいえかなり良かったし。
ルヴァンのPO進出、天皇杯準々決勝進出にも貢献。なにより、
カミンスキーがいても「試合に出られれば俺はやれる」と公言する
ギラつき加減がグッド。来季もそのギラつきに期待しているよ。


■DF
大井健太郎
全試合先発フル出場。さすが年齢を感じさせない働きぶりである。
今季に関しては終盤に攻めあがってパワープレーで点を取るという
極端な個性を発揮。後半ロスタイムに挙げた得点は3に達し、いずれも
勝点獲得に直結している。磐田にとって非常に心強い存在だった。
守備に関しては、出足の良さを利用されてつり出されるシーンが
あったのが気掛かりだが、アタックにいかないとバイタル使われて
縦にぶち抜かれるような状況を作られていたので、大井個人という
よりはチーム戦術の問題。食いついても結局縦にブチ抜かれたしね。
あとは、相手に怪我をさせかねないタックルは控えて頂けると幸い。
壊そうとしてるわけじゃないのはわかるし懸命にプレーをして くれて
いるんだろうけど、足立ててボールホルダーに突っ込んでくのを
見るのはけっこうハラハラする。相手に怪我させそうで。

新里亮
春先からレギュラーに定着。空中戦地上戦どちらでも固く守れるハードさが
チームの守備を大いに引き締めた。サイズもデカいので、腰を落として対面する
だけで相手のキックコースをかなり限定できるのも評価ポイント。
祥平に負けず劣らずの果敢な攻め上がりで攻撃にも関与できたのもグッド。
ただし、鹿島戦で軽率なパスミスで失点を演出して以降、ボール保持状態で
チェックを受けるとバタバタするようになってしまったのが残念。
そんなに気にしなくていいのに・・・。守備のキャラクターとしては
依然として重要だったので、夏にして早くもシーズンアウトになって
しまったのはチームにとってかなり痛手だった。新里の離脱以降、
大南の台頭まで磐田は最終ラインのメンツを固定できなかった。
新里が怪我してなかったら、恐らくPO圏まで落ちることはなかったと思う。

櫻内渚
出場数25という数字は悪くはないはずなのに、妙に試合中の印象が
薄いのはなぜだろうか。大きなミスはないもののいまいち違いを作れないので、
起用の必然性に乏しかったのかもしれない。小川大貴が怪我してなかったら
たぶん出場機会はもっと少なかった。得点力というSBには貴重な素養も
今季は鳴りを潜め、得点は2点で打ち止め。どっちも重要なゴールでは
あったけど、もっとこう、「お前FWかよ!」みたいなゴールを見せてほしい。
あぁあと守備・・・あれ、意外と足りないもの多い?

ギレルメ
移籍が多すぎるキャリアとキャンプで不貞腐れて罰走を繰り返す様子から
「本当に大丈夫なのか、メンタル的な意味で」と不安視していたら、
案の定というべきか横マリ戦で相手を殴って契約解除。
退団後に所属したブラジルのチームでも暴力沙汰を起こしたらしい。
なんかもう選手としての質以前の問題だった。

エレン
気が付いたら加入してた。獲得した後に通訳がトルコ語の勉強を始めたという
全く笑えないエピソードが残っている。4試合に出場しただけで肉離れを起こし
あっという間にいなくなってしまったので、これといって語ることがない。
うまくいかないシーズンってこういう選手いるよね、的な?
来年どうするかは不明。

小川大貴
今季の数少ないブレイクスルー。前十字靭帯を切る前の強度が戻ってきた。
J1の化け物外人達を相手に回して一歩も引かない激しいプレーを披露。
身体を張って守ったと思ったら攻めあがってシュートをブチこんだりして、
それなりに心強かった。J2時代、ディエゴにボロ雑巾にされていた時の
彼の姿はもうない。惜しむらくは、小さな負傷の多さで、
コンスタントに出場できないので、なかなか固定できなかった点。
来季はその辺をなんとかしてくれると助かる。

大南琢磨
終盤に台頭した若手CB。デカくて速いCBなら他にもいるが、この人は
珍しく馬力を備えているので、走りながらの競り合いにかなり強い。
その点が、ラインを上げたがる名波戦術の中で非常に効果的に作用した。
POではドウグラスヴィエイラに不覚を取りかけたが、全体的には
及第点だったといえる。大南が定着してから磐田の失点率が大幅に
改善されたのは偶然ではない。この人の台頭がもう少し早ければPO圏には(ry
来季に大きな期待がかかる。

藤田義明
J1ではちょっと厳しい感じになっている。試合終盤に投入される
空中戦要員としてはまだタスクはあるが、先発としてある程度の広さの
エリアを任されると相手をけっこう見失う。見ている感じ、視野が狭く
なってきているのではないかと思う。こちらも来季どうなるか。

森下俊
昨季のレギュラーも今季は出場数を大きく減らし、6試合に留まる。
怪我で離脱しているうちに勘を失ってしまったのか、藤田同様にJ1では
ちょっともう厳しめ。ダービーでドウグラスに軽くぶっちぎられているのを見て、
いろいろと察した。チームとしての判断に注目したい。

高橋祥平
こちらも大井と並んでフル稼働。守備だけではなく攻め上がりや
正確なロングパスで攻撃面にも大きく貢献した。課題としては、
劣勢時に流れを食い止められる存在ではないこと。戦術がハマって
いない試合では、チームの調子に合わせてパフォーマンスが落ちていた。
そのあたりを単体でブチ止められるようになるとディフェンスリーダーに
なれるのだけれど。一部の他サポから滅茶苦茶嫌われてる、演技による
時間稼ぎは黙認。他サポだったらあれ腹立つだろうなーっていうのは
わかるけど、チームの勝利のためにやってくれてることだから、
応援してる側まで揶揄しはじめたら彼があまりにも不憫。
まぁ、あんまり目を付けられない程度にやろうね・・・ということ で。

■MF
田口泰士

ボランチの一番手として活躍。ムサエフが春先に早々にシーズンアウトになって
しまったので、かなり負担が集中した。劇的な被逆転PO圏転落と相まって、
名古屋サポから「大失敗移籍の典型例」などと恨み混じりに散々に嘲笑されたが、
田口がいなかったら磐田はJ2まっしぐらだったので、むしろ補強としては
稀に見る大成功例。加入一年目にも関わらず、長年在籍しているかのような
依存っぷりだった。田口を見ていると、ボランチのマルチロール性がいかに
重要かというのがわかる。守備の強度を維持しながら配球までこなす姿は
非常に頼もしい。川又が評して曰く「ジュビロの王様」という表現も決して
大げさではないだろう。欲を言えば、プレースキック。俊輔の出場が
大きく制限されてしまった今季、セットプレーでの得点率が昨年から大幅に
下降した。田口にはプレースキッカーとしてのタスクを期待していた部分も
あったので、その点だけは少し物足りなかったかな、と。入れ替え戦で
ようやく炸裂したので、来季はもう少し見られるかな。

ムサエフ
田口、上原らと強力なボランチ陣を構成するはずが、ウズベキスタン代表での
活動中に前十字靭帯を断裂。今年一年を棒に振った。リーグの最終盤で復帰し
2試合ほど出場した際に、やはりムサエフのスイープは強力であることを再認識。
これを計算していたところに想定外の不在となったのでは、そりゃまぁきついわ、と。
なんというか、代表中の負傷でシーズンアウトは、見ている側が感じる
やりきれなさがJで負傷した場合のそれより半端なく大きい。
去年も代表招集を境にあからさまに調子を落とした事実もあって、
もう代表に呼ばないでと思ってしまうのだが、個人の意欲や名誉も
あるので強くは言えない。向こうから打ち切られない限りは恐らく来季も残留。
来季こそ期待している。

太田吉彰

J2ラストイヤーからチームの攻撃をリードしてくれたヨシも、今年はついに
リーグ戦での出場数はゼロ。ベンチ入りもほとんどなく、カップ戦要員に回った。
動いているところを見られなかったので状態はわからないが、強度的にJ1では
もう厳しいのかもしれない。練習態度の真面目さは伝わってくるので、
日々の引き締め役としての役割は健在。本人から拒絶されなければ、チームの
性格上来季も残留を依頼するだろう。

中村俊輔
不惑を迎える今季、さすがに昨季から出場数を大きく落とした。
プロ生活初のシーズン無得点だった模様。チームにダメージを与えるような
ミスはしていないが、一方で試合中に大きな働きがあったかというと
ちょっと思い当たらない。昨季のインパクトが非常に大きかっただけに
残念ではあるが、試合にさえ出ていればいまだにチームで一番サッカーが
上手いので、さすがだな、と思う。問題はコンディションのみだ。
来季の契約は白紙とのことだが、たまにでも出場してもらえれば
大きな戦力だし、ピッチ外でも影響力が大きいので、年俸は
ちょっと厳しいが残留してほしいところ。まだ期待してます。

松浦拓弥

シーズン通して先発に固定され、レギュラーとして定着。何気にキャリアの
中で初といえるのではなかろうか。この選手が活躍していることが磐田の
攻撃が機能している証明であり、松浦が得点を奪った試合は全勝という
いかにもな結果を残しているのだが、翻ってマルチロール性には欠けるため、
物足りなさを感じることも少なくなかった。ポジション及びタスクを考慮すると、
31試合に出場して3得点という数字は残念ながら物足りない。
シーズン途中に加入した大久保との相性が絶望的に悪かったのも悩ましく、
レギュラーではあったものの活躍できる状況が限定的な
リミット技的飛び道具のような存在からは脱却できなかった。
(追記:12/27付けで横浜FCへの完全移籍が発表されました。
長い間ありがとう。横浜でもガンバレ。)


宮崎智彦

もうJ1では厳しい系その3。チームに加入して7年、物凄くよくやって
くれているのだけれど、強度面で厳しい。ゴリ押し系を対面に置かれると
単体ではほぼ対応できなくなっている。一応チームにもその認識はあるようで、
ギレルメだのエレンだのといった選手を補強してきたのだが、かたや暴力行為で
契約解除、かたや稼働1ヶ月でシーズンアウトで次々と姿を消したので、
消極的ではあるが起用せざるを得なかった。もっとも、サイドとしてなら
まだしも1ボランチのアンカーに固定しようとしたのは明らかに采配ミス。
あれで勝ち点を3試合分くらい失った気がする。あの時期に磐田と
対戦出来たチームはラッキー。来期も在籍はしていると思うが、
スケープゴート的な存在になりつつあるので、扱いはちょっと厳しくなるかも。

松本昌也
スタメン定着は叶わずも、3年目にしてついにリーグ戦初得点。
未遂を続けてきた初ゴールがついに現実になった。最終節川崎戦では、
切れ味鋭いクロスで先制点となる大久保のゴールをお膳立て。
最後のヴェルディ戦でも出場機会を与えられ、最終盤でしっかりと存在感を
発揮した。今季も存在感を発揮できなければ放出もありえると
思っていたので、ここいらでの活躍は非常に喜ばしい。
去就は不明だが、来季こそ磐田で躍動する昌也が見たい。

山田大記
開幕時はボランチで使われたりして動きがもっさりしていたのだが、
2列目で起用されるようになってしばらくしたら復調。
10番を背負っていた頃の攻撃面でキレのある動きが戻ってきた。
海外で身に着いた本職じゃない要素が削ぎ落された感じ。
やっぱり山田はこうでなきゃね。終盤は攻撃の牽引役になっていた。
最終節川崎戦で前半に見せた川又へのふんわりパスは、彼という
選手のロマンが最大限に発揮されたプレーであったといえる。
一方で、プレースキッカーとしては不発。CKがことごとく得点の気配無く
跳ね返されるのは、見ていてけっこうつらかった。俊輔級になれとは
言わないけど、ことごとくニアポストでカットされ続けるのを見ていると
テンションが下がる。その辺は来季に向けた課題ですな。

山本康裕

昨年の前十字靭帯損傷から復帰し、満を持して復活をアピールするシーズンで
あったはずなのだが、15試合の出場に留まった。出場すれば安定していた
ように見えたので、出場数が伸びなかった理由はよくわからない。
怪我してたっけか・・・?田口と上原がいる中で優先的に起用する理由を
名波監督が見いだせなかったのかもしれないが、ムサエフワイパーを
シーズン通して欠いた中で試合をクローズさせられる康裕はもう少し
起用してもよかったんじゃないかと思う。何か、私が知らない問題でも
抱えていたのだろうか・・・?

藤川虎太郎
リーグ戦ではお呼びがかからず、ルヴァンカップや天皇杯で出場。
天皇杯では大学生相手とはいえゴールを決めて見せた。やったね、おめでとう。
来季はそろそろリーグ戦で出てきてくれるとありがたい。

荒木大吾
昨年の大怪我から復活。ルヴァンカップで結果を残し、リーグ戦でも
スーパーサブとして定着した。凱旋試合となった敵地での柏戦では、
鮮やかな突破とクロスで川又の逆転決勝ゴールをアシスト。
怪我に悩まされ続けたキャリアを払拭し、「荒木大吾ここにあり」を
強くアピールした。問題は守備のタスクへの組み込みづらさで、
先発として固定できない理由はそこにある。惨敗したダービーで唯一存在感を
発揮していたため清水サポからの評判がやたら良く、「先発で使えばいいのに」
との声を多く聞くが、そんなもん俺らだって思ってるよ。
なんなら名波監督だってそう思ってるだろうさ。
なんか移籍の噂があるのが気掛かり。出しちゃ駄目な選手だから。

上原力也
昨年終盤に台頭してきた力也くん。今季は初めてシーズン通して試合に絡んだ。
豊富な運動量に基づく献身的な守備と的確な配球、機を見た鋭い攻撃参加など
持ち味を随所に発揮し、J1でも十分に通用する実力があることを証明したが、
一方で試合が込んで疲労が重なった場合にパフォーマンスが極端に落ちるという
欠点があることも露呈。こういう部分は長いシーズンをレギュラーとして
過ごしてみなければわからないことなので、今季はチームにとっても
彼にとっても学習の一年になったのではないだろうか。
現状、田口との組み合わせの相性ではムサエフをリードしているので、
来季以降もレギュラーとして十分計算ができる。期待値は高い。

針谷岳晃
出場機会は少なく、ルヴァンカップで2,3試合に出場したのみ。
育成している余裕がなかったとはいえ、妙に少ない。
怪我でもしていたのだろうか。

伊藤洋輝
リーグ戦デビューは果たしたが、出場時間は5分だけ。
主にルヴァンカップや天皇杯で出場機会を得ることになった。
アンダー代表ではそこそこ活躍したっぽいので、本人としてはそっちの活動の方が
楽しかったかもしれない。スケールの大きさは感じるが、5月のアウェー2連戦で
名波監督不在時に練習中に手を抜いたとかいう理由で遠征メンバーから
外されたという何とも残念なエピソードがあった。プロではこういう選手は
いくら素養があろうとも消えていくケースが非常に多いので、今のうちに
改善しよう。今ならまだ大丈夫。上原先輩の献身性を学ぼう。


■FW
アダイウトン

4節で前十字靭帯を断裂。そのまま最後の東京V戦まで出場することが
できなかった。絶大な存在感を誇っていたアダイウトンの喪失は磐田にとって
非常に痛手で、攻撃力は著しく低下。今季の磐田が低迷した最大要因になった。
もちろん一人の選手にそこまで依存するのはどうなんだという指摘は
ごもっともなのだが、バックアップを用意するのが難しいレベルの
爆発力を誇るからこその助っ人外国人であって、結果的に苦しんだ要因に
なったとしてもそこに至るまでの経緯は責められない。
まぁ戦術的な自由度の低さは大いに反省の余地があるが・・・。
もうシーズンは終わったので、とりあえず出力を戻すことに専念してほしい。
来季こそあの重戦車のようなドリブル突破をもう一度・・・。

中野誠也
ユース以来の古巣復帰となった1年目はリーグ戦9試合出場で先発は無し。
決めた1点は勝点に直結する貴重なゴールであったものの、筑波大学所属の
4年間で培った経験を発揮しきるには至らなかった。デビュー戦では名波監督
伝統のインアウトを食らいかなり凹んだ模様だが、嫌がらせでやられている
わけではない・・・ということは理解してくれていると思う。たぶん。
彼が得意とする裏への飛び出しが効果的に作用する場面が少なかったのも要因。
情状酌量の余地は大きく、これが彼の実力であると断定するのはまだ早い。
カップ戦ではそこそこ活躍しており、静岡ダービーでは2得点を決めて
勝利に大きく貢献している。清水相手に活躍する辺りはさすが磐田育ちのDNAか。
プレースタイルの幅を広げれば出場機会は増えそうだが、せっかく純正の
ストライカーという最近では稀有な素質を持っているのに、それを無下に
するのがもったいないような気もする。さて、どう育てるか・・・。

小川航基

昨年のU-20W杯での悲劇的な負傷から復帰。まだ本調子にはほど遠く、
出場機会は多くはなかったが、広島戦の後半ロスタイムの逆転PKや
入れ替え戦での先制点のシーンなど、メンタルの強さが要求される
2つのPKをいずれも危なげなく成功。エースとしての素養の片鱗を
見せてくれた。それでも名波監督曰く意識の部分でまだ改善が
必要らしく、出場機会の少なさはそれに起因するとのこと。
昨年、負傷直前のプレーは凄まじかったので、あの状態まで戻ればと
私は考えているのだが、どうもそれだけではないのかもしれない。
期待値の大きさは変わらない。

川又堅碁

在籍2年目を迎えたエースはいよいよタスクが集中。ポストに突破にフィニッシュ、
セットプレーの守備ではゴール前まで戻ったりと、恐ろしい量の仕事をこなした。
これだけいろいろやらされながら、得点数を二桁に乗せているのは
見事という他ない。これだけ働かされれば歪が出るのは当然のことであり、
シーズン終盤には足を痛め欠場のケースが増加。川又がいなくなった磐田は
いよいよもって何もできなくなっていた。あぁ、ごめんなさい川又さん。
CFに異様な負担をかけるのは磐田の伝統なのだろうか・・・。
いろいろやらされすぎて洗練されていく姿は、かつての前田遼一と重なる。
加入時と比べて明らかにうまくなっているし、空中戦も強くなっている。
今はゆっくり身体を休めて、来季に備えてくださいませ。
アジアカップ?知らぬ存ぜぬ。

モルベッキ

最初から最後まで謎に包まれていた存在。外国人枠が埋まったところに何故か
入団が決定、そんなに凄いやつなのかと思ったらFWが不足かつ外国人枠が
余った状況でも試合に呼ばれず、入ってくる情報は練習でチンタラして
罰走させられている姿のみ。たまたま出た試合ではあまりにも役に立たないので
まさかのインアウトを食らい、夏にはフォローなく相模原にレンタルされた。
調べてみたら、その相模原でも1試合も出ていない。
何故磐田に来たのか。そして相模原に何をしに行ったのか。
あまりにも不可解なので、磐田サポの友人は「ギレルメとのセット販売」説を
提唱していた。なるほど、確かにそう考えれば、ギレルメが強制送還された
直後に相模原にレンタルされたのも合点がいく。しかしながらギレルメに
関しても、そうまでしてでも獲る選手のように思えないので、
やはり真相はわからない。本当にいろいろと謎だった。
来季もいたらめっちゃ笑う。

大久保嘉人
シーズン途中に川崎からまさかの加入。報道を見た際、私は質の悪い冗談だと思った。
復帰から半年での再移籍に川崎サポは驚嘆し、選手からもネタにされる有様。
川崎サポーター以上に驚愕した磐田サポだったが、いざ加入が決まれば心機一転、
田中誠との乱闘事件を筆頭に数多く存在する因縁を水に流し、「U.S.A」を元ネタとする
チャントを用意するという万全体制で迎え入れた。いやもう、なんなのあのチャント。
得点力が絶対的に不足している状況においてJ最多得点を誇るFWを獲得するのは理に
叶っているように見えるが、磐田の得点が少ない問題はボックスへの侵入回数自体が
少ないことに起因しているため、FWまでボールを運べない課題が解決せず
得点力の向上にはつながらなかった。これに関しては本人に責任はないのだが、
別の問題として苛立った大久保が試合中にエキサイトし始めたり
ラフプレーに走り始めたりしたので、見ていて落胆するシーンすることも多かった。
また、大久保が登場した途端に攻撃の秩序が崩壊して各々がやりたいことを
勝手にやっているようにしか見えない状況に陥ることが多々あったので、
その点を含めて大久保に対する私の評価はかなり厳しいものになっていた。
このままでは来季に向けてけっこうアレな意見が飛んでしまうところだったが、
最終節川崎戦で見事なヘディングゴールをマークことで評価が向上。
結果的に試合に敗れてPO圏内に転落したが、それでも大事な試合で大仕事を
やってのける存在感に は感服した。来季はどうかラフプレーだけは
しないで頂きたい。



以上です。
来季になったらレビュー書くかもしれないので
そしたらよろしくお願いします。

私が"川口能活"を認識したのは、アトランタオリンピックの時だった。
オーバーエイジ枠をフル活用し、本気で優勝を狙ってきたブラジル代表に
対して日本代表が大番狂わせを起こしたマイアミの奇跡。
その試合で、ド派手なセービングを連発し、ロベカルだのロナウドだの後に
世界の頂点に立ち続ける怪物達を完封したGKこそ、川口能活だった。
当時の私はサッカーのサの字も知らない人間だったが、
驚異的な反射神経で華麗にシュートを弾き返し続ける川口の姿は
私の脳裏に強く焼き付いた。今でもあの試合のダイジェストを
鮮明に思い出せるほどに。

アトランタオリンピックの翌年、親に連れられて観戦に訪れた磐田-横浜Mの試合で、
初めて川口能活を生で見る機会があったのだが、案の定川口は凄かった。
あんまりにも凄いので、磐田サポからもヨシカツコールが起こってしまった。
結局その日は磐田は完封負けを喫してしまったのだが、負けの悔しさよりも
川口の異様なオーラを味わえたことの方が私にとっては衝撃であった。
ゴールシーンは覚えていないのに、ゴール前でただ腰に手を当てて味方の攻撃を
眺めている川口の姿は覚えているのだから、その衝撃の大きさは推して知るべしだ。
その日から、私にとって「凄いGK」といえば川口能活のことになった。

それから2年くらい後に金子達仁氏に傾倒したことで、私は随分と
川口能活に詳しくなった。磐田に所属していなかった選手の中では
一番と言ってもいいくらいだったかもしれない。

川口の異名、「炎の守護神」。
これは、試合中に見せる情熱的な姿を表現しているものに他ならない。
鬼のような形相で怒り、喜び、叫ぶ。プレーに対する感情を一切隠さない
その姿は、燃え盛るの炎に例えられるに相応しい。
チームメイトから「うるさいよ」と本気で煙たがられることもあったようだが、
しかして私はそんな彼の激情家な部分も含めてお気に入りだった。
00年CSで、自身の迂闊なミスで失点し、試合後ペットボトルをピッチに叩きつけ、
突っ伏して「何回同じことやってんだチクショー!!」と絶叫する姿でさえ
私には魅力的に映った。

そう、私は彼が磐田に来る前から、川口能活が好きだったのだ。

川口


川口能活引退の報道がなされたのは、11/4 のことだった。
前日、降格がほぼ決まりかけていた磐田が広島相手に大逆転大金星を挙げ、
久しく覚える少しの余裕を味わっていた私に冷や水をぶっかけるような、
突然の引退報道。スマートフォンで報道を見た瞬間、私は「あぁ・・・」と
小さく呻いて天を仰いだ。

とはいえ、川口の引退をまったく覚悟していなかったわけではない。
厳密にいえば、いつそうなってもおかしくないという思考は、磐田を
退団した後からずっと抱き続けていた。
いくら比較的息の長いポジションであるとはいえ、年齢は既に大ベテランの域。
何かの拍子にその決断に至っても、何らおかしい話ではない。
加えて今季、能活が出場機会を大きく減らしているのは存じ上げていた。
ショックではあったが、「まさか、そんな!」というよりは、
「あぁ、この時がきてしまったか」と表現した方が真相に近い。


■最終節に至るまで

SC相模原のホーム、ギオンスタジアムは、私にとって必ずしも
アクセスしやすいスタジアムではない。
だがしかし、最終節に観戦に伺うことを迷うことはなかった。
試合は磐田のJ1最終節の翌日。大丈夫、いける。
そう判断し、すぐにチケットを確保した。
チケット確保から試合の日までは、比較的平穏な日々を
過ごしていた気がする。

だがしかし、試合前日に重大な事件が発生した。
J1最終節、私が見ている目の前で、ジュビロ磐田が急転直下の
PO圏転落という悲劇に見舞われたのだ。
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後半ロスタイム、チームを絶望に突き落とす残り30秒での逆転決勝ゴールは、
私の心に表現しようのない深刻な傷を与えた。
ジュビロ磐田は、これまでの歴史の中で、試合終了間際での
悲劇的な被逆転を幾度となくも経験してきた。
01年CS、03年J1最終節、14年プレーオフ山形戦、その他諸々。
磐田より苛烈な経験をしているクラブはJリーグの中にも存在するが、
終了間際の悲劇という意味では、ジュビロ磐田はJリーグの中では
セレッソ大阪と双璧を成すクラブである。

もう数度目ともなれば慣れたものでもあるのだが、一方で実は
私自身は過去の場面では常に画面の反対側のおり、現地でそれを
味わうのは初めての経験だった。それゆえ、過去のどの経験よりも
私が味わうダメージは深刻だった。試合終了間際、反転して突進する家長、
横パス、身を翻すカミンスキー、揺れるネット、喜ぶ川崎サポーター。
思い出したくもない記憶なのに、すべてを鮮明に思い出せてしまうのは、
もはやトラウマに近い。後に名波監督が語って曰く、「プレーオフで山形の
GKにヘディングシュートを決められた時の、何十倍、何百倍と引きずった」
とのことだが、それは私にとっても同様。
正直な話、「こんな目に遭うのであれば二度とサッカーなど見たくない」
とさえ思った。試合終了直後、同行予定だった友人に、
「ごめん、 俺明日行かない」というメッセージを送ったのは、
決して衝動的な行動ではなく、本心からの行動だった。
諸事情あって翻意に至ったのだが、一歩間違えれば本当に
ギオンスタジアム行きをキャンセルするところであったのは事実。
今思い返せば、私にとって危機的状況だったといえる。

「等々力の惨劇」は、能活にも思わぬ余波を及ぼしていた。
古巣の悲劇を目の当たりにした能活は、喪失感のあまり最終節を見据えて
予定していた散髪を失念し、ボサボサ頭のまま最終節に臨むことに
なってしまったのだ。試合後にその旨を明らかにされた際、磐田は
なんと罪深いことをしたのだろうと落胆しつつ、能活が未だに磐田を
大事に思い、PO圏転落を嘆いてくれているのが有難く感じ、
私は少し心が救われる思いだった。


■試合当日
Tシャツ購入を目論み、私は友人と共に9時にはギオンスタジアムに到着。
購入待機列はかなり伸びていたが、早めに並んだ甲斐あって無事に
狙っていたサイズのTシャツを購入することができた。

予定よりずっと早く終わったので、時間をつぶすために隣接する公園を散策。
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列整理が近くなったので、散歩を切り上げてスタジアムにリターン。
空腹だったので、フードコーナーでカレーを頂いた。
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空腹を満たした後に、現地に来ていた知り合いに会いにいったのだが、
自分から呼びかけたにもかかわらずいざ近付いたら気付かずに
思いっきりスルーしてしまった。大変申し訳ございませんでした。
試合開始1時間ほど前に入場。バックスタンドに陣取る。
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ホーム側は既に満席でアウェイ寄りになったのだが、これで
後半の能活を間近に見ることができる。

座席を見ると、コレオグラフィ用のシートが貼り付けてあった。
どうやらこの日のコレオが、SC相模原史上初の試みだったらしい。
ただ、さすがに慣れていない感は拭えず、剥がしたシートを持ったまま
座席移動をしてしまっている人がいたり、掲げるタイミングがバラけたり
していた。また、自分の隣にいた方が、掲げる向きを間違えていた
(裏面をピッチに向けて掲げていた)ので、「あ、それ逆向きですよ」と
言ったら、「ちょっとやだわぁ~、ウッフフフフ(笑)」と豪快に笑われた。
楽しそうなのは何よりだが、何故自分が笑われてるの かわからなかった。
まぁ、コレオは経験の積み重ねで上達するもの。SC相模原の皆様には
まずは挑戦したことを誇って頂いて、そのうえで今後の糧として
頂ければそれが一番良いことだと思います。何様やねん。

アップ前に目についたのは、報道陣の多さ。
前日の等々力にも、川崎の祝勝会と磐田サポの泣きっ面を収めに来た
メディアが多く集結していたが、この試合はそれ以上の報道陣が来ている。
多すぎてスタッフが扱いにちょっと四苦八苦していた程。
程なくして両チームがアップを開始。
川口が登場した際の歓声は、予想通り凄まじかった。
これで能活のアップを見るのも最後・・・と思うと、反対サイドで
ありながら能活から目を離せなかった。機敏な動きをしており、
とても43歳だとも、この試合が最後だとも思えなかった。

さて、能活以外の選手達に目を向けてみると、何名か存じ上げている選手がいる。
まずは何といっても元磐田の10番、成岡翔。磐田を退団した後、福岡、新潟と
渡り歩き、今年から相模原に在籍している。
菊岡、丹羽、谷澤、辻尾もJファンには馴染みが深いだろう。
あとは梅井がえらく堂々とプレーしているのを見て、
かつて期待を寄せていた身としてはけっこう嬉しく思った。
その一方で、磐田からレンタル中のモルベッキはベンチにもいなかった。
申し訳ないが、彼は本当に何をしに来たのだろう。

鹿児島ユナイテッドの方には、恐縮ながら存じ上げている選手は
ほとんどいなかった。2年ほど前に吹田スタジアムでG大阪U-23と
対戦しているのを拝見した時に記憶したFW藤本は既に移籍。
今季J2で12得点をマークし大分のJ1昇格に貢献している。
唯一、FWのキリノと薗田には見覚えがあった。とりわけ薗田に関しては
去年の天皇杯で横マリ相手に華麗なゴールを決めているのを見ているので、
期待がかかる。いや、今日の場合は恐怖だろうか・・・?
あとは、この試合には出場していなかったが、松下年宏が在籍している模様。

試合は、割と手堅い雰囲気で進んだ。鹿児島は既にJ2昇格を決めており、消化試合。
能活の花道を飾ろうとする相模原の方が、意欲は高めに見える。
そんな中で期待していた成岡が、不用意なロストでピンチを招いたり
していたのでちょっと残念だった。成岡はどちらかといえばセカンド
ストライカー的な動きを得意とする選手であり、配球のタスクで
違いが作れるタイプではないのだけれど、磐田在籍時はサテライトなら
その作業もある程度はやれていたので、サッカーという競技の進化を
考慮しても良い意味での存在感はもう少し見てみたかった。

それでも、前半を通してボックスに多く侵入したのは相模原の方。
能活のプレーも序盤から安定していた。
ピンチがさほど多くな かったのも影響しているが、クロス処理や
バイタルエリアのケア、キックにもミスがない。
一度ペナ内からシュートを打たれた際にも、コースを切って弾いている。
後半に向けてポジティブな要素が多い。

ハーフタイムに鹿児島が選手を交代してきたのだが、具体的な目的と
効果については読めなかった。中央の守備のフィルタがちょっと
強まったかな、と感じたが、たぶん誤差の範囲。

DSC_0089(1)


後半、鹿児島が手前サイドに攻めてきたので、薗田をけっこう見ていた。
パワフルでこそないが、相手の守備のブロックの隙間に入り込んで
ギャップを作り出そうとする動きは実に痛快。ふとした拍子に
「あれ、ずいぶんあっさりとパスが入ったな」と思う時は、
大抵は薗田が受けていたり、或いは敵を釣っていたりする。
物凄く自分好みのFW。うーむ、相変わらず素敵だ・・・。

鹿児島の構成の最中、抜け出したFWに対し能活がコース遮断と
素早い反応で攻撃を切った場面があり、大興奮。
そう、GKながらこういう積極的な守備ができるところが好きなんだよ、能活。

勝つためには守備だけではなく点が欲しい相模原。
58分にボランチを入れ替えた。成岡はここで早々のお役御免に。残念。
(追記:先日、成岡選手が藤枝MYFCに移籍することが発表されました。)
なんとか1点入れてくれと思っていたら、20分過ぎに相模原がPKを獲得した。
相模原のクロスに対して手を出して叩いてしまった模様。
逆サイドなのでよく見えなかったのだが、帰宅後に確認したら
完全にハンドだった。意図的に引っ叩きにいったように見えたのだが、
そんなに緊迫する状況ではなかったように見えたので、
どうしてしまったんだろうかと不思議に思った。
まぁ、決定的な状況で手ェ出したらレッドだしね・・・。

このPKをジョンガブリエルが決めて相模原が先制。
たくさん足踏みしてGKを先に動かしてから蹴るやり方を採用していたのだが、
あんなに貯めるケースは初めて見た。あれはGKからしたら嫌だ。
といっても蹴り方にはそれなりの技術が必要で、失敗するこ ともある。
この間のFC東京-磐田戦では、この蹴り方を採用したディエゴオリヴェイラが、
最後まで飛ばないカミンスキーに根負けして枠を外した。
たぶんジョンガブリエルはこの蹴り方をちゃんと練習しているのだろう。

その後は鹿児島が思い切って反撃に出たのだが、シュートが枠にいかなかったり
ブロックされたり能活に止められたりでネットを揺らせず。
逆に相模原は交代枠を使って守備に人数をかけ、終盤は辻尾をほかしこんで
前線で走らせることでリスクを軽減しつつ守り切るという
非常に玄人好みな渋い試合運びを見せた。
そんなこんなで相模原が能活の現役最後を飾る完封勝利を達成。
レジェンドの引退に華を添えた。
DSC_0096

タイムアップ直後、チームメイトにもみくちゃにされる能活。
泣いてるように見えたのが印象的。帰宅後に確認したらやっぱり泣いていた。
胸を熱くしてくれる瞬間だった。
そこからシーズン終了セレモニーと、能活の引退式。
望月代表が「まだできそうに見える」と言っているのを聞いて、
「やっぱりそう思うよね、俺もそう思う」と同意した。
特に苛烈なキャリアを歩んだ望月が言っているのを聞くと余計にそう思う。

引退式では、能活のご家族の方々がご登場なされた。
お兄様が涙を流されていたのが非常に印象的で、それまでは笑顔だった
能活がその瞬間に泣いてしまっていたのを見て胸が熱くなった。
そしてスペシャルゲストとして、楢崎が出てきたのでビックリした。
これに関して非常に好意的な意見が多かったのだが、磐田サポとしては
「昨日名古屋がPO行きになってたら来なかったんだろうなぁ」と
少し微妙な気持ちになっていた。この光景のために名古屋の残留が
確定しているべきだった、という意見には同意しかねる。
DSC_0101

セレモニーの後、選手の場内一周の時には、多くの人が能活に
声援を飛ばしていた。どうやら磐田サポや横浜FMサポも多くいたようで、
それぞれのチームのユニフォームやタオルマフラーを掲げて
能活に手を振っている。そういう人たちが、少なくとも試合中は
それらの主張を控えて粛々と試合を見届けていたのが、
私には非常に好意的に感じた。

能活が近くまで来た時に、能活の名前を呼びたくてウズウズしていたら、
見越した友人が「呼びたかったら呼べばいいさ」と言ってくれたので、
お言葉に甘えて最後に「ヨシカツーッ!」と呼んだ。
磐田在籍時はゴール裏から何度も叫んだ名前。
久しぶりに呼んだにもかかわらず自分でも驚くほどしっくりきたのは、
9年間呼び続けた 事実が今でも自分の中で息衝いている証拠だろう。
場内一周の途中ではあったが、選手たちが遠方まで歩いて行ったので、
スタンドを出て帰路に就いた。能活の引退は残念ではあるのだが、
最後に思う存分に彼を堪能できた充足感から、この日の帰り道は
前ほどの喪失感は抱いていなかった。もっとも、帰り道の最中で
「もう見られないんだな」と寂しくはなったけれども。


■引退に際して
当方に影響を与えたサッカー選手という点で、川口能活は非常に
インパクトの大きい選手だ。引退に際して覚える寂寥の感は、
名波浩が引退した際のそれに匹敵するかもしれない。

前述の、幼少期に能活を初めて見て衝撃を受けたのをきっかけに、
私は親と「能活ごっこ」と称したボール遊びを頻繁にするようになった。
親が投げたボールを、膝立ちの状態からセービングするという
遊びだったのだが、これはGKのキャッチングのトレーニングとして
採用されるものらしく、私は意図せずGKのトレーニングをしていた
ことになる。まぁただのこじつけだとは思うのだが、その遊びが
現在までフットサルチームでゴレイロを担い続けていられる理由の
一つになっていることは、私の感覚では間違っていないと思う。

川口能活に関する思い出として、04年アジアカップのヨルダン戦や
アトランタ五輪の"マイアミの奇跡"などが挙げられているが、
私は迷わず2010年のヤマザキナビスコカップ決勝戦を挙げる。
この試合は、直近10年で磐田が獲得した唯一の国内主要タイトルである
と同時に、獲得の瞬間に私が現地で立ち会うことができた唯一の
タイトルでもある。その試合で磐田のゴールを守っていたのが能活だ。
延長含めて3失点こそ喫しているが、この試合の能活は素晴らしかった。
とりわけタイムアップの瞬間は出色。試合終了間際に相手に献上して
しまったPKで、能活は槙野のシュートを見事に弾き返してゴールを死守。
PK阻止からのタイムアップでタイトル獲得という、あまりにも
劇的な展開を演出してくれた。長く磐田を応援しているが、
あれほどに甘美な瞬間は他にはなかなか思い当たらない。


能活は引退理由として、「選手としてではなく違った形で日本サッカー界に
貢献したい」と語った。選手ではなくなるが、彼がこの世界からいなくなって
しまうわけではない。今後も能活がサッカー界に関わってくれることに
感謝しながら、今後の活動を見守っていきたいと思う。


能活選手。
長い現役生活、本当にお疲れ様でした。
伝えたいことは寄せ書きに書かせて頂きましたので、これ以上の
言葉は必要ないでしょう。ただ、いつまでも応援しています、とだけ。

以上です。

こんばんは。クリスマスイヴに風邪をプレゼントされ、年末の予定や掃除が全て潰れた私です。
年末寒波も来ておりますので、皆さまも体調にはお気を付けください。

少し久しぶりのブログになります。
秋のアウェイvs群馬やvsG大阪U-23、vsSC相模原。書きたい話はいくつもあるのですが、機会があれば書こうと思います。

今回は先日行われたJリーグ アウォーズに行ったお話です。移籍市場で移籍してしまう選手がいる今なのでコチラのお話を先に書きたいと思います。

IMG_5669

Jリーグの年間表彰式の祭典に清水サポーターの友人がチケット当たったとの事でご一緒させて頂きました。

会場内の写真をどこまで上げて良いのかわからないので、会場で#アスルユニチャレンジした写真とかもあるんですが控えておきます。

中に入ると川崎をはじめ関東圏のサポーターが多かった。鹿島、川崎、マリノス、FC東京、柏、湘南、清水、磐田…J1の表彰が主なのでJ1サポーターが圧倒的に多かったですが、沼津、YSCC、秋田、相模原とJ3サポーターの方もチラホラ見かけました。

また、コンコースの歴代アウォーズのパネルには我らが中山雅史選手、伊東輝悦選手の姿もあり改めてレジェンドだなぁと感じます。

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■吉田謙監督・J3優秀監督受賞■
式典が始まると25年前、Jリーグ開幕時の映像から初代川淵チェアマンの挨拶から受賞者が会場入り。
錚々たる面子の中に我らが吉田監督を発見して嬉しくなりました。

J3優勝チームの拍手には全力。だってJ3であんだけ強敵で立ちはだかった琉球やっぱり讃えたいじゃない。J2優勝の松本の時もそうだけど、彼らはそのカテゴリを勝ち抜いて上に戦いに行くんだから同じカテゴリを今年戦った身としては琉球には最大の拍手をしました。


「J3リーグ優秀監督賞、アスルクラロ沼津・吉田謙監督」の紹介から吉田監督が壇上へ
多分、この時今までで一番「Jリーグに上がったんだな」って実感しました。

壇上での平ちゃんのインタビューでもいつも通りの吉田監督コメント。

いや、本当誇らしかった。

殆んどの表彰がJ1で、サポーターの人もJ1が殆んど、次にJ2の人達、そしてJ3のサポーターが少し。
その中に自分の応援するクラブの名前があり、監督が表彰された喜びと同時に改めて「上に行きたい」とも思いました。

■ブレずに進み続けてこそアスル■
ここ数日でアスルクラロ沼津から新たなステージへ旅立っていった選手達。
寂しい想いが無いと言えば嘘になります。それでも彼らがプロ契約を勝ち取ったり、上のカテゴリで勝負出来るチャンスをもぎ取った。そして評価された事を喜ばしくも感じます。
スタジアム問題、J2ライセンスが中々取れない事もあるし、現実は漫画みたいにとんとん拍子には行かないから、まだまだ数年辛抱してやっていかなきゃならないんだと感じるけれど、ブレずに進んで行きたいし、行けると思ってます。

まずはこの街のクラブとしてもっともっと根付いて行く所から。ふぁいとー


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あ、中華街久しぶりに行きました。おなかもいっぱい

奈良クラブのGM就任おめでとうございます。申し遅れました。私はフットボールマンションの共同ブログを書かしてもらっているFC大阪サポーターの南河内と申します。
もしご本人がこれを読んでいただき意見等があれば、是非メールをください。
多分管理人さん経由で来ると思いますが…コチラにメールアドレスを張っておきます。
ならでんの近くのスタバまで来いと言われれば喜んで行きます。
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