昨日、全国各地で天皇杯3回戦が行われました。
下位ディビジョンの優先開催権付与ということで、
我らがジュビロ磐田はJ2の湘南ベルマーレと敵地で対戦。
しかし、今日の話題はその試合ではありません。
実はこの日、当方は磐田が湘南と対戦しているBMWスタジアムではなく、
横浜にあるニッパツ三ツ沢球技場を訪問しました。
対戦カードは、横浜Fマリノスvsアスルクラロ沼津。
清水、磐田、藤枝に続く静岡県内4つ目のJクラブが、
名門の一つに数えられるチームに挑む一戦です。
当方の職場から比較的近いこともあり、この挑戦を見届けようと
前日に前売り券を購入し、退勤後に観戦してきました。
横浜Fマリノス 4-2 アスルクラロ沼津
定時で上がれればギリギリキックオフに間に合う算段であったため、
自分の予定表にも「定時退勤予定」と書いていたのですが、
課長が定時後に会議を始めるという嫌がらせをブチかましたため強制的に1時間残業。
出発が1時間遅れ、スタジアムに到着したのは後半開始の直前でした。
課長マジ許さん。
試合は、自分が見ることができなかった前半のうちに、横マリが3点を先行。
自分が到着した時点で、試合の趨勢は決まりかけていました。
メンバーを見ると、横マリは齋藤学やら扇原やらバブンスキーやら、
レギュラークラスの選手を複数人起用。
J1が中断期間に入っているので、消耗を気にせず勝ちをとりにきています。
天皇杯では主力を温存した強豪が足元を救われることがしばしば起こりますが、
主力を何人も使ってきている上位チームは番狂わせを許しません。
到着した段階で「やはり厳しいか」と嘆息してしまいました。
しかし、この試合はまだ終わっていませんでした。
3点差をつけられた沼津が、物怖じせずに反撃を開始したのです。
前線の選手がスペースに向けて走り、そこに向けて後方から鋭く縦パス。
サイドから粘り強くボールを運び、シュートに繋げました。
切り返しからのシュートがクロスバーを直撃、さらに追撃のシュートでゴールを強襲。
横マリGKの好守で得点にこそなりませんでしたが、点差を感じさせない攻撃を披露します。
とりわけ目を引いたのは、途中交代で出場したFWの薗田卓馬選手。
相手の守備のギャップを見つけて入り込み、パスを受けては生きたシュートを放ちます。
園田選手の動きを見逃さない味方との相互理解もあってのものですが、園田選手の動きには
上のディビジョンでもなかなか見られないほどのセンスを感じました。
ただ、後半途中になってくると、横マリがボールをキープし沼津に反撃の機会を
与えないようなスタイルにシフト。沼津はチャンスが作れなくなってしまいます。
このまま終わってしまうのはあまりにも惜しい・・・。
そんなことを考え始めた後半35分、沼津の攻撃が結実します。
沼津の選手がドリブルで後方から持ち上がり、中央にある小さなスペースに
抜け目なく入り込んでいた園田選手にパス。
反転した園田選手が、横マリの選手が詰めてくるまでのわずかな時間で鋭く足を振り抜くと、
ボールはゴールの右隅にズドン。GKが一歩も動けない、鮮やかな得点で点差を2と縮めました。
歓喜に沸く沼津のゴール裏。残り10分、試合は再び動き始める様相を呈し始めました。
嵩にかかろうとする沼津と、試合を終わらせたい横マリ。明確なコントラストの下に試合は進行します。
気持ちを見せていた沼津でしたが、後半ロスタイムに自陣でのバックパスを
ウーゴ・ヴィエイラに掻っ攫われ、ゴールに蹴り込まれて失点。
点差は再び3点となり、事実上この試合は決しました。
しかし、3点ビハインドの後半ロスタイムでも、沼津は闘志を失っていませんでした。
試合終了間際、沼津がCKを獲得。沼津の選手がゴール前に集まってくる中、
ゴール脇の水を飲みに来た背番号13番 鈴木淳選手が、ゴール裏に向かって
両手を振り上げ煽りながら絶叫。
「まだ負けてねえぞ!!」
選手の煽りに応え、声援の声量を上げる沼津のゴール裏。
その声に応えるように、直後のCKで途中出場の太田選手が倒れこみながらも
シュートGKの手を弾き飛ばすシュートを叩き込み、2点目を記録。
直後に試合が終了し沼津は2-4で敗れましたが、
名門を相手に2得点という確かな"挑戦の証"を刻み付けました。
最後まで諦めずに戦う。
スポーツの世界では理想として掲げられることが多いながら、この理想を目に見えるように
体現できるチームは必ずしも多くはありません。その中で、誰の目にも明らかに、最後まで
闘志を折らずに戦い抜いた沼津の姿勢は、賞賛に値すると思います。
勝負は勝負。勝者は横マリであり、沼津は敗れた事実は揺るぎません。
ただ、挑戦者としてあるべき姿を見せた沼津は、十分に賞賛に値するチームだと思います。
後半しか見られませんでしたが、見にきてよかったと思える試合でした。
選手、スタッフ、そしてサポーターの皆様、本当にお疲れ様でした。
素晴らしい試合を、ありがとうございました。
■磐田、4回戦進出
さて、私が横浜で沼津の試合を見届けていた頃、同じ神奈川県の湘南では、
我らがジュビロ磐田が湘南ベルマーレを4-1で下し、4回戦進出を決めました。
現在、ディビジョンこそ磐田が上ですが、磐田は直近で5試合湘南に勝っておらず、
相性は必ずしも良くはありません。湘南は現在J1昇格を具体的に狙える順位におり、
磐田がこのままJ1残留を果たせた場合は対戦する可能性があります。
それを見据えた場合、苦手意識を払拭する足がかりになりえる今回の勝利は、
今後に向けて非常に良く作用するかもしれません。
普段のリーグ戦ではベンチスタートになることが多い選手達が先発で活躍したことも含めて、
磐田には得る物が多い試合でした。
ここから月末の川崎戦まで、公式戦がありません。
中断明けの川崎戦は、上位に進出することができるのか瀬戸際の試合になります。
重要な試合となりますので、それに向けてしっかりと準備をしていきましょう。
下位ディビジョンの優先開催権付与ということで、
我らがジュビロ磐田はJ2の湘南ベルマーレと敵地で対戦。
しかし、今日の話題はその試合ではありません。
実はこの日、当方は磐田が湘南と対戦しているBMWスタジアムではなく、
横浜にあるニッパツ三ツ沢球技場を訪問しました。
対戦カードは、横浜Fマリノスvsアスルクラロ沼津。
清水、磐田、藤枝に続く静岡県内4つ目のJクラブが、
名門の一つに数えられるチームに挑む一戦です。
当方の職場から比較的近いこともあり、この挑戦を見届けようと
前日に前売り券を購入し、退勤後に観戦してきました。
横浜Fマリノス 4-2 アスルクラロ沼津
定時で上がれればギリギリキックオフに間に合う算段であったため、
自分の予定表にも「定時退勤予定」と書いていたのですが、
課長が定時後に会議を始めるという嫌がらせをブチかましたため強制的に1時間残業。
出発が1時間遅れ、スタジアムに到着したのは後半開始の直前でした。
試合は、自分が見ることができなかった前半のうちに、横マリが3点を先行。
自分が到着した時点で、試合の趨勢は決まりかけていました。
メンバーを見ると、横マリは齋藤学やら扇原やらバブンスキーやら、
レギュラークラスの選手を複数人起用。
J1が中断期間に入っているので、消耗を気にせず勝ちをとりにきています。
天皇杯では主力を温存した強豪が足元を救われることがしばしば起こりますが、
主力を何人も使ってきている上位チームは番狂わせを許しません。
到着した段階で「やはり厳しいか」と嘆息してしまいました。
しかし、この試合はまだ終わっていませんでした。
3点差をつけられた沼津が、物怖じせずに反撃を開始したのです。
前線の選手がスペースに向けて走り、そこに向けて後方から鋭く縦パス。
サイドから粘り強くボールを運び、シュートに繋げました。
切り返しからのシュートがクロスバーを直撃、さらに追撃のシュートでゴールを強襲。
横マリGKの好守で得点にこそなりませんでしたが、点差を感じさせない攻撃を披露します。
とりわけ目を引いたのは、途中交代で出場したFWの薗田卓馬選手。
相手の守備のギャップを見つけて入り込み、パスを受けては生きたシュートを放ちます。
園田選手の動きを見逃さない味方との相互理解もあってのものですが、園田選手の動きには
上のディビジョンでもなかなか見られないほどのセンスを感じました。
ただ、後半途中になってくると、横マリがボールをキープし沼津に反撃の機会を
与えないようなスタイルにシフト。沼津はチャンスが作れなくなってしまいます。
このまま終わってしまうのはあまりにも惜しい・・・。
そんなことを考え始めた後半35分、沼津の攻撃が結実します。
沼津の選手がドリブルで後方から持ち上がり、中央にある小さなスペースに
抜け目なく入り込んでいた園田選手にパス。
反転した園田選手が、横マリの選手が詰めてくるまでのわずかな時間で鋭く足を振り抜くと、
ボールはゴールの右隅にズドン。GKが一歩も動けない、鮮やかな得点で点差を2と縮めました。
歓喜に沸く沼津のゴール裏。残り10分、試合は再び動き始める様相を呈し始めました。
嵩にかかろうとする沼津と、試合を終わらせたい横マリ。明確なコントラストの下に試合は進行します。
気持ちを見せていた沼津でしたが、後半ロスタイムに自陣でのバックパスを
ウーゴ・ヴィエイラに掻っ攫われ、ゴールに蹴り込まれて失点。
点差は再び3点となり、事実上この試合は決しました。
しかし、3点ビハインドの後半ロスタイムでも、沼津は闘志を失っていませんでした。
試合終了間際、沼津がCKを獲得。沼津の選手がゴール前に集まってくる中、
ゴール脇の水を飲みに来た背番号13番 鈴木淳選手が、ゴール裏に向かって
両手を振り上げ煽りながら絶叫。
「まだ負けてねえぞ!!」
選手の煽りに応え、声援の声量を上げる沼津のゴール裏。
その声に応えるように、直後のCKで途中出場の太田選手が倒れこみながらも
シュートGKの手を弾き飛ばすシュートを叩き込み、2点目を記録。
直後に試合が終了し沼津は2-4で敗れましたが、
名門を相手に2得点という確かな"挑戦の証"を刻み付けました。
最後まで諦めずに戦う。
スポーツの世界では理想として掲げられることが多いながら、この理想を目に見えるように
体現できるチームは必ずしも多くはありません。その中で、誰の目にも明らかに、最後まで
闘志を折らずに戦い抜いた沼津の姿勢は、賞賛に値すると思います。
勝負は勝負。勝者は横マリであり、沼津は敗れた事実は揺るぎません。
ただ、挑戦者としてあるべき姿を見せた沼津は、十分に賞賛に値するチームだと思います。
後半しか見られませんでしたが、見にきてよかったと思える試合でした。
選手、スタッフ、そしてサポーターの皆様、本当にお疲れ様でした。
素晴らしい試合を、ありがとうございました。
■磐田、4回戦進出
さて、私が横浜で沼津の試合を見届けていた頃、同じ神奈川県の湘南では、
我らがジュビロ磐田が湘南ベルマーレを4-1で下し、4回戦進出を決めました。
現在、ディビジョンこそ磐田が上ですが、磐田は直近で5試合湘南に勝っておらず、
相性は必ずしも良くはありません。湘南は現在J1昇格を具体的に狙える順位におり、
磐田がこのままJ1残留を果たせた場合は対戦する可能性があります。
それを見据えた場合、苦手意識を払拭する足がかりになりえる今回の勝利は、
今後に向けて非常に良く作用するかもしれません。
普段のリーグ戦ではベンチスタートになることが多い選手達が先発で活躍したことも含めて、
磐田には得る物が多い試合でした。
ここから月末の川崎戦まで、公式戦がありません。
中断明けの川崎戦は、上位に進出することができるのか瀬戸際の試合になります。
重要な試合となりますので、それに向けてしっかりと準備をしていきましょう。