ベガルタとはそもそも10試合以上勝ちがなく。
ユアスタでは2003年以来未勝利。
調子がいい時も悪い時も本当に勝てない相手だ。
しかし過去の試合では、技術で勝るセレッソに対してフィジカル面で有利を取って結果を残したベガルタだが、今回フィジカル的な優位はこちらにある。
これは大きなチャンスだと踏んでいたのだが試合の展開は予想とは全く違うものになった。
セレッソのスタメンは久し振りにベストメンバー。
特にソウザの復帰は大きい。
対するベガルタは3-4-3らしい。
試合開始からボールをコントロールしたのはベガルタ。
両サイドをワイドに使い、中央にはうちのCBを物ともせずにボールを収める石原。
ラインを高く保ちギャップに顔を出して丁寧に崩してくる。
結果から言えば試合を通して支配されて崩された試合だった。
今季押し込まれた印象があるのはレッズ戦の前半、ヴィッセル戦の前半30分から前半終了まで、アルディージャ戦サンフレッチェ戦の開始直後ぐらいなもので、試合を通してここまで押し込まれたのは初めてと言っていい。
しかし試合を最初に動かしたのは柿谷の一撃だった。
センタサークル辺りから逆サイドの柿谷へ清武の長いスルーパス。
バウンドを合わせた柿谷が左脚ダイレクトで右隅に突き刺す。
更に直後に2点目が入る。
丸橋が斜めに入れたボールを受けた杉本が山村に技ありのスルーパス。
山村が反転から左隅にきっちり決めて追加点。
ここまでは良かったのだが…。
36分綺麗なパスワークから丸橋の裏を中野にがっつり取られ、石原にゴールを浴びる。
ジンヒョンまで完璧に体勢を崩されお手上げ。
更に清武が負傷。水沼に交代。
ポジションのデータを見ると、ハーフを超えているのがベガルタの6人に対してセレッソは3人のみ。
かなり押し込まれていたことがわかる。
ベガルタのボール支配率も6割、パス成功率も上回り本数では倍近い数字を記録された。
ベガルタのディフェンスゾーンでのプレーは20%。
セレッソのアタックゾーンでのプレーは僅か9%。
ここまで内容で上回られた前半は浦和戦以来だろう。
しかし何故かリードしている。
正直不思議な試合だった。
個人能力の高さで2点取ってしまったという感じ。
後半もベガルタペースで入るが、少しずつボールを前に運ぶようになると50分辺りからCKが取れるように。
56分、杉本とソウザの縦の関係からCKを獲得。
CK自体は跳ね返されるもソウザ柿谷と作り直した丸橋が大外へのクロス。
CKからの流れで前で待っていた山下のヘディングで3点目。
ここでクリスランが投入される。
今のJで最も得点率の高いストライカーだろう。
このクリスランが直後にセレッソ守備陣を崩す。
下がりながらパスを受けるとダイレクトでCBの間を通すスルーパス。
飛び込んで来た西村が流し込み1点差に詰められる。
点を取っては崩されて詰められ観ていても苦しい展開だが、それでもまだリードしている。
クリスラン自体にゴールを脅かされることは結論から言えばなかった。
ヨニッチがしっかり対応したのが大きい。
また久し振りに山村を下げて5バックにした結果ミスマッチが解消される。
後ろをクローズしたので崩されるシーンは減った。
それでも同じ様に崩そうとするフロンターレよりもワイドを使うのが上手いベガルタに何度か危険なシーンを作られる。
開放されたのは68分。
杉本とのワンツーで抜け出したソウザが左サイドから持ち込んでシュートを打つと弾かれたボールに山口がダイレクトのミドルシュートを叩き込んだ。
ここからは受ける展開が続くものの2点差のリードとポジションの修正により安心して見られるように。(危険なシーンがなかったというよりは1点失っても大丈夫という感じ)
裏を狙われていた丸橋は田中に交代。
失点シーンはあったがアシストもあったのでトントンかな…。
終盤にはソウザに変えて初ベンチ入りの西本がそのままデビュー。
この交代後は試合が膠着しそのまま終了。
西本君は凄く身体に力入ってたけど周りを締める意味でもいい交代だったなと。
今季一番攻められた試合だったがスコアだけみれば4点取って快勝。
負けや引き分けの後きっちり立ち直るのが今年の良さ。
点はないけど実はきっちり絡んでる杉本とか、守備では怪しいシーンはあったが点を決めた山下とか諸々考えると各々仕事はしてたかなと。
今年は完全に押し込まれる試合が殆どないのでこれはこれで収穫になったと思う。
ルヴァンカップのプレーオフを挟んで魔の7月に入る。
セビージャとの試合や、プレーオフ、天皇杯等でかなりの過密日程になる。
後半戦最初の試合がレイソルとのリベンジマッチになる等、上位陣との試合が並ぶ。
7月を首位と3ポイント差以内で凌げれば十分に上を狙えるだろう。
余談
天皇杯がありました。
初戦でJ1チームが4つ消えるというのは正直酷すぎるなというのが感想。
まあ1つ2つ下剋上があった。ぐらいなら笑って流せるのだが。
5分の1以上が消えるのは流石に笑えない。
残留争いをしているチームはまあ致し方なし…なのだろうか。
リーグ戦、下位の方ではアルディージャがすっかり目覚めてしまった様子。
6ポインター2連戦を連勝。
一方でロペスが入ってサッカーが変わりかけていたロペスのアルビレックスは相手に恵まれずすっかり足踏みしてしまった。
次節でハーフターンになるわけだが、今のペースだと札幌以下は25を切る数字なので例年に比べてもかなりやばめ。
上も競ってはいるものの柏と2試合以内の差に収めてるのは川崎まで(未消化を勝った場合)。
優勝争いに絡めそうなのはここまでの6チームに絞られたかなと。
優勝ラインが今のペースだと年間70辺りになる。
後半だけで40を積むのは結構厳しい。12勝4分1敗or13勝1分3敗。
つまり勝ち点30に乗せないと挑戦すら厳しい。
現行制度のセレッソの最高勝ち点は61(2010シーズン)。
今のペースはこれを超えているものの、まだ足りない。
次の試合きっちり勝利して35で折り返したいところ。