本日、Jリーグが閉幕しました。
(新潟と柏の試合は延期となりましたが、優勝・降格は決まりました)
優勝がガンバ大阪となり、J1昇格からのJ1優勝は柏レイソル以来2つめのチームでしょうか。
ガンバ大阪を応援している皆様、おめでとうござます。
正直いって、最終戦の行方が


こんな、こんな、塩結果になるとはまったく思いませんでしたよ。


肝心な時に勝てないキャラの浦和レッズさん、彼らが予定調和のごとく負けてしまった。
さらに、ぶっちぎりの最下位徳島を沈められないガンバ大阪。
それでも最後に一番勝ち点を積み重ねたのが優勝チームなのです。
これは一番重要なことです。

もうすでにtwitterで出回っていますが、序盤戦のガンバ大阪は降格圏の常連でした。
それが後半戦で一気に巻き返してくるとは思いもよりませんでしたね。
要因を挙げるとすれば、パトリック加入が一番大きいでしょう。


ガンバは宇佐美や倉田、二川、阿部、遠藤などテクニックがあり、フィニッシュに関われる選手が多いのですが、一方でパワーを武器にする攻撃の選手は佐藤くんくらいです。
ボールを強引に収められる選手が前線に1人いるだけで、ガンバはボールの預けどころを得て、ゲームのコントロールに長けた遠藤を中心にして、チームの戦い方をより優位に進めることができます。
ただ、私は佐藤くんはBOXストライカータイプに近く、あまり広い行動範囲を持たないCFだと思っています。
それゆえに相手のDFラインとの駆け引きやDFラインを大きく後退させるようなダイナミックな動きは持っていない選手であると分析します。
そうなってくると、佐藤くんがボールを収めても彼を追い越していく選手や、彼に当てた後にサイドを突破していく仕組みをチームが持たない限り、ガンバは前線をアタッキングエリアへと進めることが出来ず、手数が圧倒的に不足してしまいます。


そこで、

アンデルソン・パトリック・アグウイアル・オリベイラ

です。


メンドクサイから、パトリックと略しますね。
彼は189センチとJリーグでは超大型選手に分類される選手です。
それでいて彼はスペースへの走力に長けており、足も速い。
真ん中に構える佐藤くんとは違ったタイプのFWで、特に右サイドを駆け上がり、遠藤を中心として様々な選手からフィードを受けるレシーバーになる特徴があります。
考えてみてください、あのでかい選手がスピードを以ってSBのエリアを蹂躙して、さもするとカットインしてフィニッシュしようとするんですから、対戦相手からするとパトリック対策にデリケートにならざるを得ません。
10月9日のナビスコカップ 川崎戦では前がかりになっていた相手からボールを奪ってすぐにパトリックにスルーパスがでました。
彼はDFラインとの難しい駆け引きもなく、スペースを悠遊と走り追走してくるDFを振り切りシュートを決めました。
今のJ1のチームで、スペースに走る彼を完璧に抑えるのは難しいでしょう。
19試合9得点、90分の平均得点は0.58です。
(ちなみに大宮のムルジャは18試合9得点と成績が似ていて、チーム加入時期もほとんど同じです)



余談ですが、彼は川崎フロンターレやヴァンフォーレ甲府にも所属していました。
成績はフロンターレ時代が8試合2得点、ヴァンフォーレ時代が16試合5得点でした。
本来ガンバ大阪よりも縦に速いサッカーしてきたはずのフロンターレでは、スペースを駆け上がるパトリックが生きなかったのは大きな疑問ですね



さて、優勝したガンバ大阪ですが、ACLに出るとなるといろいろと考えなくてはいけないことがあります。
まず、遠藤、今野の代表組がアギーレジャパンで招集されるので、彼らの負担を軽減するためにローテーション要員を獲得しなくてはいけません。
少なくとも各ポジションに1名ずつは獲得しなくてはいけません。
次に今シーズンのような夏以降、ACLチームが陥るコンディションの悪化に対してどこまでチームの戦術をアジャストしていくかです。
リーグを並行して戦う中で、本来オペレーションされるべきチーム戦術やその強度を選手のローテーションを組み込んでやりくりしなくてはいけないのはとても難しいことです。
さらに、遠藤を始めベテラン勢が多いチーム事情は、この課題がよりデリケートです。
「仕上げのリンス」はイイとしても、もう一枚有力な外国人選手が必要になるでしょう。
出来れば中盤センターが出来て、攻撃時にはボールが運べて、ラストパスが出せるタイプがいいと思います。



来季迎える苦しい時期、自分たちのサッカーが崩壊してしまう危惧。
ガンバ大阪は終わりの始まり、勝者ゆえの苦悩という贅沢な悩みを抱えストーブリーグを迎えます。